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機動新世紀ガンダムX

第8次宇宙戦争

レビュー

正味の話、毒にも薬にもならないようなガンダム。常日頃より富野節に毒されて(?)いる人間にとっては、心が洗われ過ぎて退屈な作品であろう。視聴率も後半から朝方に時間帯が流されたことで0パーセントギリギリ、今だに外伝はときた氏のジャミルのヤツのみ(最近、エースに別の外伝の連載が始まった)という、ガンダム史上最も不遇の作品である。ストーリーもどこか中途半端で、パラレルワールド的な扱いであるのにも関わらず敵は連邦軍、どこをとっても中途半端という一端、いっそ「革命軍」もジオンにでもしてしまったほうが良かった気がするのだが、まあ今さら何を言っても当の作品自体が虫の息なので深くは語らないことにしよう。どこかしこに、当時人気のエヴァの匂いがする、不思議なアニメだった。しかしそれでも、オープニングの演出だけはカッコ良く、これをガンダム最高傑作と謳う方も少なくはない。

フリーデン&サテリコン

旧連邦軍にあって、コロニー投下作戦に参加したジャミル率いる戦艦。新連邦・革命軍どちらにも与せず、ニュータイプを守るために戦う。一方サテリコンは、ザイデルの革命軍に異を唱える私設軍隊。ロイザーが指揮、前次大戦によって破棄されたコロニーを拠点に地下活動を続けるも、ランスロー大佐によってほぼ鎮圧された。両者は巨大な敵を前に協力、8次に渡る宇宙戦争を終結させるために尽力した。

新地球連邦

前次大戦によって壊滅した連邦が、政府再建委員会を経て復活を遂げた組織。ブラッドマンを総司令官とし、革命軍との再びの戦争に備える。ダリア作戦の恐怖からニュータイプ否定の動きが強く、体制は極めて保守的。故に内憂フロスト兄弟の脅威に気付かず、DOME接触の際にブラッドマンを喪失した。指導者なき新連邦は、ジャミルをして平和への道を選む。

宇宙革命軍

旧連邦の弾圧支配を打ち破り、宇宙に新秩序を確立した革命国家。しかしその実態はザイデル総統の私兵集団に過ぎず、かつて40基にも及ぶコロニー落しという悪行をやってのけたテロ国家である。ギレンよろしくの人類革新論を叫ぶザイデル総統だったが、拠り所のニュータイプをDOMEに否定された後、フロストによって倒される。戦後はランスローが平和へと導いた。

ガロード・ラン

一般兵・パイロット ティファに惚れ込み、フリーデンに押し掛けた浮浪少年。歴代主人公の中でも最もかったるく、そして影が薄い。ていうかガンダム乗りだった記憶がない。戦後の苦しい世代を戦災孤児ながらも一人で生き抜き、MSハントを繰り返して生計を立てていた。身分不肖の風来坊という設定はいつの時代でも有効なようだ。MS乗りとしての才能も有し、ニュータイプ能力はゼロながらも「炎のモビルスーツ乗り」として、ティファのために戦う。性格は極めて単純明快、直情型にして騙され易い。ティファに対してはおセンチな面を見せるも、それに怒りが混ざればとてつもない行動力を示し、ニュータイプとさえまともに渡り合えた。実はティファこそが彼の行動指針で、実は結構思うが侭だった気がする。戦後は彼女と共に世界を旅し、「いろんな人と会い、いろんなものを見て」いるらしい。

ティファ・アディール

ニュータイプ・強化人間 類まれなる「自然覚醒」という形をとった、地球生まれのニュータイプ。予知やテレパシー、動物との感応、そして降霊術と、ニュータイプうんぬんを抜きにしても充分凄い、容姿だけでもかなりの神秘性を秘めている少女。しかし、その才能を戦争の道具に利用しようと、今まで様々な人間たちから狙われてきたため、彼女自身は心を閉ざしており、滅多に笑うこともなければ口を開くこともない。そこをジャミルに救われ、フリーデンの一員として彼らの道標となり、命を賭けて自分を守ってくれるガロード、そしてクルーたちを前に、次第に心を開くようになった。戦後はDOMEの言う「ニュータイプを捨てて生きる」ことを決意。ガロードと共に旅に出る。ララァのような俗っぽい人が最高のニュータイプであるのにも関わらず、生きながらにして神掛かった彼女が「実は何でもなかった」というのにはちょっと拍子抜け。

ジャミル・ニート

中級司令官・艦長 かつては旧連邦のニュータイプとして、革命軍のコロニー落し作戦の阻止に参加していた青年。当時は軍期待のエース・パイロットだったが、彼らの失敗によって旧連邦は壊滅。彼自身もトラウマを引きずることになる。その後は荒廃した地球でバルチャーとして生計を立て、その一方、「戦いのために利用されるニュータイプ」を保護。しかし今の彼にはニュータイプとしての「人の革新」も見えなければ、左目の傷とその心情を隠し通すためのサングラスを手放さない。無口にして真意の全く読めないフリーデン艦長だが、命令も的確で頼りになることからクルーの信頼は厚かった。度々激戦を潜り抜け、その行程においてルチルと再会。コクピット恐怖症も克服してニュータイプとしての力を取り戻すが、DOMEは彼らの頼る「ニュータイプ」そのものを否定した。戦後は彼を頼るサラ共々、新連邦に参加。革命軍との和平交渉にあたっている。

ウィッツ・スー

一般兵・パイロット 口は悪いが根は優しい、故郷の家族のためにMS乗りとなった青年。自分が信じた道をゆくストレートな熱血漢だが、シャイな一面も持ち合わせている。トニヤへのツレナイ態度はその一例。フリーの身だったがフリーデンに正義を感じて専属契約を結び、ニュータイプを守る戦いに参戦した。ちなみに彼の母は父を失った経験からMS乗りに好意を抱いておらず、無論息子がパイロットをやっていることなど知る由もなかった。戦後はトニヤと共に故郷に帰った。

ロアビィ・ロイ

一般兵・パイロット ロン毛のニイチャン。古典的なプレイボーイ青年ながら、ここまでキメられるとかえってカッチョイイ。クールなフリして性格は軽く、面倒だったりややこしいことには一切関わらない。常にウィッツとコンビで行動し、当初はフリーのMS乗りとして日銭を稼いでいたが、いつしかフリーデンと専属契約を結ぶに到る。女癖・女運ともに悪く、故郷に舞い戻った際には、かつて口説き廻ってきたかなりの数の女性たちに別れの挨拶を告げている。しかし本命の女性は既に病死していたというアンラッキー。いつしかサラに乗り換え、彼女が無理と知るやユリナとの出会いもあったが、結局はエニルとくっついたようだ。コメントの大半が女のこと、こんなキャラクター初めて。

サラ・タイレル

副官・補佐官・侍従 フリーデンの副長。キャリアウーマン風、スーツをビシッと着こなす大人びた女性。この時代、19歳でこうないと生きていけないらしい。ジャミルを慕い、いつも寄り添うように立っているが、彼の態度はどうもツレナイ。彼がいないときは持ち前の強気な性格で艦を指揮、艦長代理としての役目を見事にこなしているが、いつも不安な日々を送っている。最終決戦を前に告白を果たし、どうやら戦後は結ばれたようだ。ジャミル共々新連邦に参加、和平協議会のスタッフに選ばれている。

トニヤ・マーム

副長以下のクルー 見た目は確かに17歳だが、言動は何だか違う気がする女のコ。フリーデンの通信士を勤める、誰かと思えばミサトさん。陽気で人当たりが良く、役割的にはムードメーカー。持ち前の人懐っこさのせいで敵までこちらに引き入れてしまう始末で、しかも、その相談役にまでなっていた。終戦間際にウィッツから求婚され、戦後は彼の故郷に行ったという。

キッド・サルサミル

技術者・技術士官 フリーデンにおいて、メカニックのチーフを勤める天才少年。若干12歳。年上のアシスタントを抱え、かつ彼らからの信望も厚い。機械好きが高じて整備だけでなく改造や開発、そのほか何でもこなし、フリーデンは事実上彼でもっているといっても過言ではない。艦長であるジャミルにも無礼な態度をとる彼は、実は艦の真なる実力者なのかも。ちなみにガロードのことは「ガンダム坊や」と呼び、よく喧嘩をしていた。いつしかパーラと良い仲になり、戦後はジャンク屋を営んでいる。どないなっとんねん、コイツ。

パーラ・シス

一般兵・パイロット 幼きおり宇宙難民の両親を亡くし、以来サテリコンで育てられた15歳の少女。ゲリラ育ちだけに言動は荒く、それが異様なまでに長沢美樹の声とフィットしていない。Gファルコンのパイロットを勤め、ガロードを助けて以来彼に興味をひかれる。以来「自動的に」彼の相棒になった。そしてサテリコン壊滅後はフリーデンに参加、ティファの存在により、彼のことは諦めた。とにかく無駄に胸がデカイが、しかしキッドの小僧相手にはあまり効果を成さないような気が。戦後は、彼と共にジャンク屋を営んでいる。
「そして、さらば!!」

シャギア・フロスト

ニュータイプ・強化人間 情報部に所属するエージェント。アイムザットに仕える「カテゴリーF」。オルバの双子の兄であり、お互いを強く信頼。プレスリーみたいカッコしてるほうが彼である。当初はアイムザットのもと、フリーのMS乗りを装ってフリーデンに襲い掛かるが、それは芝居に過ぎず、政府再建委員会にも参加しているものの、実は、自分たち兄弟を差別したこの世界全てを憎んでおり、破滅に導くことをひとつの目標としていた。その過程において新連邦・革命軍の両代表を撃滅するも、しかし事情をよく呑み込めていないガロードの手に掛かり行方不明となった。
「私の愛馬は狂暴です」

オルバ・フロスト

ニュータイプ・強化人間 情報部に所属するエージェント。アイムザットに仕える「カテゴリーF」。双子の兄であるシャギアを心から信頼、しかし彼以外の人間には決して心を許さない。優しいようにみえてキレると極端に恐ろしく、兄以上の非情さももっていた。彼らは「ツインズシンクロ」という特殊技をもち、テレパシーで会話ができる。悪事を企むのもきっとテレパシー。そして切り出しはいつも「兄さん……」。DOMEに接触したのちのガロードと交戦、オールドタイプとしての弱さ(実はニューもオールドもなかったのだが)を露呈するように、行方不明となった。

エニル・エル

ゲリラ・テロリスト 露出度高い、色気のある姉ちゃん。革命軍高官ナーダの元に生まれたものの、幼くして両親は死亡。以来、戦後の地球をフリーのMS乗りとしてたくましく生きてきた。勝気で強引な性格だが、無闇にしつこく、ガロードに出会い、彼にアプローチを掛けるも失敗。半ばストーカー的に彼を付け狙う。マイルズと出会い求婚を受け、戸惑う彼女にアドバイスをしたのは敵であるはずのトニヤ。彼女は傷を負ったエニルをフリーデンで介抱し、味方へと引き入れた。マイルズは死亡してしまうが、ラストではロアビィと良い仲に。陰謀の巨魁と思わせておいて、実はタダのドロンジョ様でした。

カリス・ノーティラス

ニュータイプ・強化人間 ノモア市長の下、フォートセバーン市のために戦っている少年。市長を完全に信じ切っており、自警団まで結成して敵に備え、彼から与えられたニュータイプ能力、そして、それによる副作用も甘んじて受け入れていた。しかしフリーデンが市に訪れたことでティファやガロード、結果として市長の真意を知り、彼に対する叛意が芽生えた。若さゆえか、本来持っている優しさからか、敵に対して冷酷になれずにいたため、ガロード敗れた後は、自らの死を願って銃の引き金を引く。その際は九死に一生を得るが、四の五の言わせずパトゥーリアにムリヤリ乗せられ、自我すら消されそうな状況のもと、ガロードの協力によって今度こそ自由を得た。以来街の復興に、新連邦の襲撃に対してはレジスタンスの幹部として対抗。フリーデンIIを提供することで、ガロードたちを宇宙に送ったりもしていた。
「愚かな僕を撃て!!」

ランスロー・ダーウェル大佐

軍幹部・高級将校 革命軍のエースパイロット。前次大戦においては、軍期待のニュータイプとしてコロニー落し作戦に参加。ジャミルと死闘を繰り広げた。しかし、戦後は彼も能力を失い、教育大隊で「新兵の訓練」という閑職に廻された。そんな彼がこの地位にいるのも、サイデルが国民感情を考えてのことである。ニュータイプの才能は消えても、パイロット技術には何ら衰えがなく、「閃き」がないのを除けばエースとして充分に通用するのが、彼とジャミルの相違点であろうか。戦い方がアムロVSシャアのナゾリにして、戦後アムロがフヌケになったのと同じように、彼はシャアと同じ道筋を歩んでいる。後にランスロー艦隊を率いて新連邦へと挑むも、過激なサイデルに対しては付いてゆけず、同時進行でティファを守るための算段をつけたりもしていた。後にDOMEと接触。かつてあった自らの能力に見切りをつけると、戦後は革命側の親善大使となる。