俺が、かつてこしらえたサイトのひとつです。
俺にとってのサブカル界の謎のひとつに、「銀英伝はなぜ大ブレイクしなかったのか」(もとい、ジンワリとした流行なのか)というのが挙げられます。
俺が大好きだけど世間的に流行らなかった作品が幾つかありますが、なるほどそれは、客観的にみると理由がわかる。『リンダキューブ』然り、『幽玄漫玉日記』然り、『冥王計画ゼオライマー』然り。理由はおわかりですね。
こんなのが大ブレイクしちまうような世の中は健全ではないからです。
しかし、銀英伝だけは。これだけ魅力的なストーリーとキャラクター群に囲まれながら「TSUTAYAにいっぱい置いてあるよね」以上の意見があまり聞かれないのはどういうことなのでしょう。
新書版の再刷数を見れば充分に世の中に行き渡ったともいえるのですが、ヤマト・ガンダム・エヴァとは異なるベクトルで大ブレイクしていてもおかしくはないと、むしろいま挙げたSF3作品よりも、俺は個人的に好きだったりするのです。
俺がビデオ屋でバイトをしていたハタチ当時、あの頃はまだVHSが主流で。
千と千尋とかハリー・ポッターとか、朝河蘭とか堤さやかとか森下くるみとかが人気のご時世でした。あとは誰ですかね。萩原さやかとか長瀬愛とかですか。
AVの話はまた今度しますかね。
で、当時の店長だったNくんが(俺は他人様の評価を「俺がこの人の歳になった時に勝っているか・負けているか」でやってしまうクセがあり、それだけに立派な新卒君に会うと、ハタチの頃のボンヤリだった自分を顧みて若いながらに敬意を払えたりするのですけれど、このNくんには当時から負ける気がしなかったものです)
曰く「テープが傷んでいるか、見れるか見れないか分からないビデオを持って帰って、家で見てきてくれるか」とのこと。持って帰った数本の中に『黒人中出し100連発』と『銀河英雄伝説』の19巻が入っていたのです。
そしてまた、この19巻が面白いのなんのって。
わかる方だけわかってくださいの場所なのですが、「同盟軍の老将ビュコック元帥が残された最後の艦隊を率いてカイザー・ラインハルトと戦い、壮絶な玉砕を遂げる」巻ですよ。以来、20・21・22…と、なぜか第1巻に即帰することなく観ていったのであります。
とりあえず言えることは、ある程度から上の頭の人じゃないと、この作品は楽しめません。
俺が十年間布教して、入信してくれた人の顔ぶれが、それを証明しています。
姜尚中さん、苫米地英人さん、マイケル・サンデルさん。
※ ごめんなさい、ウソです。
この作品のファンは人柄の良い人が多いので(唯一の例外が俺ですが)あまり叫ばれてこなかったし、むしろそれこそが銀英伝がメジャーにならない理由とも言えるのですが、けっきょく銀英伝が大ブレイクしなかったのは、「頭の良い人にしか理解できないから」というのが大きな理由なのだと思います。銀英伝ファンはあまり折伏しないんですね。
※ 以前は言論人が「頭の良い人」というと、自身の尊敬する超知識人のことを指していたような気がしますが、今ではいわゆる「非B層」ぐらいが「頭の良い人」になってしまったように感じていますし、「銀英伝が理解できる頭の良い人」というのは、110話を座って見ていられるぐらい人、または萌えキャラなしでもアニメを見ていられる人、ぐらいに置き換えて読んでください。
自分のことを「ちょっと頭の良いオタクだな」とか「ちょっと頭の良いアニメファンだな」と一度でも思ったことのある方で未見の方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。
http://www.hisakawa.net/ginei/
Author ウェブデザイナー久川智夫
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