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かつて『ゆく年くる年』を宗教番組と評した知識人がいましたが、これぞまさに宗教ゲーム。
ブッダを絶望させた古代インドはこんなんだったろうなあと思わせる虚無感、ありきたり、かつクダラナイおつかいイベントさえ、神が主人公に現身の空虚を教えるため与えた試練なのではと思わせる、それこそ個人的には『リンダキューブ』や『ヘラクレスIII』さえ上回る、究極の宗教ゲームと感じられるのです。
Contents
押井守氏自ら語る通り、やたらダンジョンだらけのフィールドに、当時人気だった FF6の精緻なドット絵なんかお構いなしの、チープ極まるグラフィック。
かつては遊び手の想像力だけで組み上げられていた無限の世界が、12 メガのカートリッジにパンパンに詰まってます。
いや、本当は詰まっていないのだけれど、遊び手が勝手に詰め込んでしまいます。
それほど優れた世界設定と、荘厳なBGM(川井憲次氏)。レア価格大高騰のアレンジ・サウンドトラックに到っては、葬式で弔辞読むバックに流しても違和感がないほど、人間の心を強く打ち据えます。
ストーリー展開やセリフ廻しも秀逸で、『MOTHER』に勝るとも劣らないシュールなセリフが盛り沢山。
厭世的なライバル・アムリタや、ラストのどんでん返しに到るまで、自分は正直申し訳ない話、押井守氏のもつザ・サブカルといった臭い(大友克弘氏、今敏氏とかあの系統)があまり好きではないのですが、桜玉吉氏の可愛らしいキャラクターのかお陰でグイグイのめり込ませてもらいました。
今ならグラフィックの強化されたゲームボーイアドバンス版が案外安く手に入るので、『1』と併せて遊んでみてはいかがでしょうか(数があんまり出ていないので、大きいところを探さないと無いかも知れません)。
難点といえば、このゲームは武器も防具もみな壊れます。
諸行無常を現している、そしてその買い換えに求不得苦を感じろといわれればそれまでですが、正直この足枷は要りませんでした(確かアドバンス版ではなくなってなかったっけか)。
容量と音楽以外はほとんどファミコン並みの本作にあって、これ以上ストレスはもういいよ、と言いたくなってしまうので。
そしてもう一つの難点は、とにかく長いということ。
全部で8つの世界を冒険するのですが、グラフィックのショボさはアドバンス版でかなり改善されているとはいえ(それでも『ツクール1』から『ツクール2』になった程度の進化ですが)とにかく長い。
山も谷もそんなに大きなものは無いので、正直途中でタルくなって投げ出す人がほとんどなのではないでしょうか。
この空間を楽しみたいという方にだけ、オススメです。
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