BUBCASSE

Negative legacy of the bubble economy.

> >

408" class="post-408 post type-post status-publish format-standard has-post-thumbnail hentry category-bubcasse"

2006/

3

1

Wed

SONY ZSX-G7000

最終回! バブルラジカセの余光…さらば!ドクターチェンジャー

このエントリーをはてなブックマークに追加

バブカセ的追記コラム 2011「はたらくバブルラジカセ」

ZSX-G7000

このラジカセを見よ!
実は、このラジカセは私の物だ。私が働く事務所の倉庫で、部下の配送係が「作業中に音がなくてさみしい」というものだから、会社に寄贈したラジカセなのだ。
 
私の家にあった頃から煤けていたラジカセだったが、倉庫にやってきて、より一層ガテン系に磨きが掛かったようにも見える。鉄筋コンクリートの建物の中で、かすかなFM電波を拾おうと、アンテナをピンと立たせるその姿には、雄々しささえ感じられるだろう。
 
実は、こんな用途で何気なく15年、20年の歳月をすごすバブルラジカセは多い。買い換えもきかず、廃品回収の声におびえながら、それでもパートのおばちゃんたちに大沢悠里を聴かせ続ける、荷出しのおじちゃんたちに小林克也を聴かせ続けるバブカセは多い。
 
個人経営のスーパーの青果コーナーで、今日のお買い得品を連呼している奴もいるし、ガチャガチャのおまけを買い取って売るような店で、バブカセにしては時代錯誤のAKBを奏でているような奴もいる。
 
パソコンやiPodの普及により、パーソナルの場からは追放されていったバブカセたちも、こんな場所では、もとい、こんな「壊れようもない場所」だからこそ、生き延びている。 かつてのオーバースペック・マシンが、平成23年の今でさえ、それほどのスペックを求められていない場所に置かれている様は、かつての一世を風靡した「超芸術トマソン」にも似ている。
 
彼らは、その職場のボスが「もう邪魔だし古くなったからゴミ屋さんに持って行ってもらおうよ」と口にするその日まで、ただひたすら音を奏で続ける。
生まれた頃はその当時としてもかなりの高性能を有していたことさえ全く顧みられることなく、いずれ清掃工場の露と消える運命なのだ。
 
ヴィンテージとして新たな価値を与えられるその日まで、生き延びてくれ! バブルラジカセ!

このページは、久川がかつて2006年に立ち上げてクローズした趣味サイト『バブラジリア』のリサイクルページです。画質が粗いのは、何台か除籍(スクラップ)にしてしまい、再撮が効かないからです。

ZSX-G7000

過日とある仕事で秩父に行ったのですが、その帰りしな(埼玉掃討戦)にハードオフで見つけました。
かすれたカラーリングになぜかついてるビデオ端子が錆びているなど、状態はかなり悪いのですが、珍しさに惹かれてレジに直行。
平成大不況も甚だしい時期に発売された、最後のバブカセ・ドクターチェンジャーです。

ラジカセからミニコンポの時代へ

自分は 95 年当時、アイワのミニコンポ XG-530G で赤坂泰彦のミリオンナイツで『尾崎家の祖母』にハマっていたり、ダミーヘッドの青春アドベンチャーに熱中したり、当時は神戸の震災が近かったので、流れる安否情報に緊迫感を抱きながら耳をそばだてていたのですが、どうやらちょうどそのちょっと後に発売されたようです。
 

ZSX-G7000

最後の重量級、最後のバブカセ

いろんな近未来ギミック搭載!――でも

小四の自分が XG-530G の3CDチェンジャーに魅せられたよう、この機種も3CDチェンジャー搭載。
光端子がついていたり、前述のビデオ出力端子など、当時のコンポに比肩するような野心的な機能も盛り込まれているのですが、個体の悪さと併せて「ここに落ち着いたか…」と思うとなんか切ないし、作った人には申し訳ないけど、眺めていてあんまり楽しくない
散々ぱら磨いても、なんか安っぽいんだもん。

1995年の夢の跡

震災・オウム・村山富市と、1995 年というのは、日本国のみならずバブルラジカセにとっても鬼門だったようですな。
ちなみに、ウチの個体は愛用しているヤマダ電機の赤い CD-R が使えません。もしかして他の個体もそうなのでしょうか。
余談ながら、このヤマダ謹製 CD-R は音楽用としては最高です(2014年追記。もう無くなってしまったようです)。熱に強いので、炎天下の車載用にベスト。ヘタしたら太陽誘電のヤツよりいいかも。
 

ZSX-G7000

状態悪くてゴメンネゴメンネ~

そして俺のラジカセは終わった~2012年、除籍

アイワのコンポを選んだ小学生の俺は、こう思っていました。
ラジカセというものがあって、ラジカセとコンポのアイの子があって、コンポやさらに上の高級ステレオがある中、かつては学生に手の届かなかったコンポが、以前のラジカセの地位まで降りてきて(海外製のデフレモデルがほとんどではあったが)ノストラダムスも差し迫ってきた今日、はたして今更ラジカセを選択する意味があるのか――と。
国産でない点、今日なお続く“CFD”の名を受け継いでいない点など、ラジカセ文化の衰退と混迷を象徴する機種でありましょう。
ちなみに、前の仕事場に 2012 年、捨ててき 寄贈しました。
今でも使ってくれてるんじゃないかなあ。
 

ZSX-G7000

緑のバックライトはソナホーク系を表しているのか

このブログ内のバブルラジカセ特集記事リンク

バブカセ特集トップハードオフで買う~基礎知識編

Panasonic RX-DT9RX-DT99RX-DT909

SONT CFD-900CFD-700ZSX-G7000

Victor RC-X80RC-X999SANYO PH-PR910

Author ウェブデザイナー久川智夫

ぜひこの記事をシェアしてください!

このエントリーをはてなブックマークに追加

ぜひコメントをお寄せください!(メールアドレスは公開されません)

この記事のトラックバック用URL