まずは、立場の紹介から。
自分は、かな入力派の久川です。
心霊現象は懐疑派、ラーメンではしょうゆ派に属しています。
……えっ? みそ派? きみとは友達になれそうにないな。
でも、ローマ字入力もそう変わらないスピードで打てるので、バイセクシャルという扱いにしておいてください。
小学生の頃にかな入力で覚えて、後にプログラムやったり、コーディングしたりでアルファベット配置も覚えたので、そう変わらない速度が出せます。
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一時期いろいろ議論があって、それもまあ一段落した感のある「ローマ字入力 vs かな入力」の問題。
というより、9:1(一説ではそれ以上のユーザー比とも)では、今や議論にもならんのですわ、これだけ少数派になってしまうと。参院に3議席の零細政党みたいなもんですな。
それが証拠に、この議論の過去ログが、探せば探すほど00年代のものばかり。
ガンダムにおける袖付きやオールズモビルが如く、00年代はそれでもまだ散発的な戦闘がおこなわれていた形跡があります。
しかし、近年に入っての「ローマ字入力 vs かな入力」は、
ほとんど過去ログが無いんですね。
ガイア・ギアの世界ですよ。
「ジオン残党? ああ、秘密結社の方ね」という。
「えっ、俺たち準軍事組織だと思ってたのに秘密結社扱いなのかよ」みたいな。
そういえば、僕が以前お世話になっていた50人ほどの会社でも、かな入力は僕だけでした。
しかし。
こんな時勢だからこそ、あえて愛用の「かな入力」を皆さんに――もとい、まだパソコンを覚えていない皆さんのお子様方にオススメしてみたいと思います。
20年以上にわたって連綿と続いてきた「ローマ字入力 vs かな入力」の戦いにおいては、いわゆる定番のやりとりというものがあります。
まず、そのいくつかをご紹介しましょう。
かなちゃん「ローマ字入力は頭の中で一度変換しないといけないから不利だわ」
ローマ君「いや、慣れれば直感的に打てるからへーきだよ」
ローマ字入力バイセクシャルである俺にとって、これは本当です。
それでも、ローマ字という規則自体に「X」を使う気持ち悪さとか「ちゃ」が「cya」ではなく「cha」である音の上での不可思議さ(「cha」は「ちはっ」じゃないのか)はあるものの、慣れればわりと気になりません。手が勝手に動く、というのも本当です。
一方、反対側からは——
ローマ君「かな入力は手をあっち行ったりこっち行ったり疲れそう」
かなちゃん「いや、よく使うキーは固まってるからそうでもない」
ローマ君「あー…乳もみてえ」
という意見もある。
これもある意味においては本当です。
かなちゃんがHカップ94センチというのも本当です。
しかし、キーボードのサイズによっては、手の小さい方、女性などは、小指つりそうになる場面があるかも知れません。…アタシゃないけど。
それでも、昔のワープロなんかと比べれば、パソコンもキーボードもとんでもなく小さくなっているので、雌雄を決する決定的な差とはならないでしょう。
では、大きな差について。
すでにローマ字入力で慣れている方は、今さら「かな入力」にすると遅くなるだけなのでオススメしませんが、これからパソコンを覚えようというお子様がいる家庭は、ぜひ「かな入力」で教えてあげましょう。うちはそうするつもりです。
なぜか。
どちらが速いか、どちらが結婚に有利かといった点に定説はありませんが、打鍵数に明らかな差がある。
これは「慣れればどちらも一緒」という感覚的なものではありません。データ野球です。
くわしくはこちらを参照。
(ウィキペディアより「親指シフトキーボード」の記事)。
ここのデータによると、親指シフトキーボードが3735回を叩く文章に、かな入力は4110回、ローマ字入力は6474回を叩いているといいます。
そりゃそうだ。かな入力が「ら」と打ち込むとき、ローマ字入力は「ra」と2つキーを叩いているのだから。
(一方、両手の動きが大きくなるという理由で、かな入力のほうが遅くて疲れる・または打鍵数と相殺でトントンだ、という説もありますが、自分は先述の理由からそれらの説を採りません)。
個人的な印象では、「ローマ字入力レベル3ぐらいの人」と「かな入力レベル1ぐらいの人」(※FF5のアビリティ的観点で)の入力速度は同じぐらいじゃないかなあと感じています。
「やたらパチパチ叩いてたけど大して進んでねえじゃねえか」という。
「那須ナンバーでメガネで女か」的な。
ごめんなさい今の失言でした。
再びこちら。
(ウィキペディアより「親指シフトキーボード」の記事)。
このデータに基づき、自分は「親指シフト最強説」を認めます。
比較動画なんかを見ていると、さらにそう感じます。かな入力ほど、派手に手が動いていない。
たぶん、環境(使い手の習熟度と故障した際の替えなど)が整えば、最強なのはこいつでしょう。
しかし、親指シフトキーボードは、自宅以外で使うのには敷居が高すぎるのです。
出向先に持ち込むわけにも行きませんし、ノートパソコンだと外付けしないといけないし。しかも高いし、地方の量販店だとまず手に入らないし。
となると、現実的なところで最適な日本語入力は、2位のかな入力が繰り上げ当選だろう、ということになるわけですね。
そして、その繰り上げ当選という理由により「諸君、ローマ字入力はやめて明日からかな入力にせよ」と声を張り上げて言えないわけです。
ではなぜ、こうも圧倒的な差でローマ字入力が普及していったのでしょう。
これは自分が何となく感じているだけで、データの上での根拠は何もないのですが、いまパソコンを嫌々使っている世代が(現時点で定年を迎えようかという世代でしょうか)、このパソコンでの文字入力というものを、学校の技術家庭の授業なり、会社で当時の新卒君なりに教えるのに、きっとローマ字入力というのが都合よかった(習得に時間が掛からないので、授業にも入りやすいし、自分も教えやすいし)のではないでしょうか。
「使うキーが少なくて覚えやすい」のは分かりやすいメリットですが、「打鍵数が多くなる」というのは分かりにくいデメリットですからね。
中学生の技術家庭ですから、「位置を覚えるのラクだし、使うキーも少ないよ」と言われれば、子供たちは納得する。先生にしても、キー配置覚えるのにダラダラ何時間も掛けられちゃたまらんわけです。
例えるなら「一括払いより36回払いのほうがラクじゃん」ということですな。支払い総額は倍近くいってるのなんて、気にもかけずに。
しかも、教わる側である俺らアラサー・アラフォー世代は、かつて「パソコンが一家に一台あるような世界」なんて信じていなかったわけですよ。だから本気で覚える気なんかなかった。
俺が中2の頃なんて、家にCanBeがあることで人が集まってきたんですから。三丁目の夕日状態。
せいぜい「大人になって仕事で使うこともあるかな?」ぐらいのもので、パワポなんか知らない、CMのあとはスポーツです的な時代が確かにあったわけです。
——それなら習得しやすいほうがいいじゃないですか。
ついぞ15年ほど昔は、「パソコンに四苦八苦している中年サラリーマン」というのが風刺漫画でよくネタにされていたものですが、多分あの人たちは定年を迎えるなり、事務所から淘汰されるなりしてしまって、あの面倒くさかったケータイのメール入力や、今ではフリック入力みたいな使い方さえできる適応力のある若者たちが、かな入力ごとき覚えられないはずがないんです。
少なくとも、俺の知ってる方々は二極化が完了しました。
「パソコンをなめらかに操作できる人」または「パソコンを使わなくても部下に指示して完結できる地位の人」か。
『踊る大捜査線』の署長が素っ頓狂なマウス操作をしていましたが、あんな人はもう現役で見ることがなくなりましたから。
でも、今後かな入力が一大勢力になることはありえません。
なぜなら、パソコンを教える科目が「国語」ではないからです。
もし国語であったなら、国語教師の側から「何で日本語の文を書くのにローマ字で打つんだ?」という声が挙がっていたはずですから。
そして、今現在パソコンの授業にくっついてくるのは「プログラミング」です。
日本語のプログラム言語である「なでしこ」がそう大きな普及をしていない以上、それならアルファベット配置を覚えたほうがいい。
ならば久川、なぜあんたは「かな入力」を推すというのか。
それは、大人になってパソコンを使う場面は、プログラマーになってプログラミングをすることよりも、企画書や報告書を書いたり、取引先にメールを打ったりすることのほうが、圧倒的に多いからです。
よくよく考えれば、アタマの中では「のどが かわいたので みずを のむ」といった風に日本語の音で考えたり発音したりしているのに、これを「nodoga kawaita node mizuwo nomu」と打ち込むことが、意識的にも無意識的にも無変換でおこなわれているはずがないんですね。
「慣れればマニュアル車でもラクだよ」と言う人がいて、それはそれで信じますが、それでもオートマのが絶対ラクに決まってます。手順が少ないんですから。
(この場合、マニュアル車がローマ字入力で、オートマ車がかな入力となり、真逆の例えになるのがややこしいのですが)。
「アタマの中で考えていることがそのまま文章になったらラクなのになあ」と俺なんかはドラえもん的にそう思うのですが、それが機械の究極進化形だとして、「アタマの中で考えていることをローマ字(しかもイタリア人にも通じない)にイチイチ逆変換していること」が、高速化に有利にはたらくわけがないんです。
一方で「このあたりでやめておかないと、偏狭な敵性語狩りみたくなってしまう」という気もしています。
「これぞニッポン流とか言ってるのにローマ字打ちかよ…」って、そういうことじゃないですからね。それはクダランことです。
しかも、世の中でも数少ない「好きなほう使えばいいじゃん」という事柄に、乱を巻き起こすのは無益なことですから。
『ガサラキ』に出てきそうな、タイプライターっぽい「いろは」配置のキーボードがもしあれば買いますけどね。インテリアとして。
俺がローマ字入力の人たちを教化しようとか、かな入力をしない人の墓に糞ぶっかけてやろうとか、そういうことを考えているのではありません。俺も、環境次第ではローマ字入力してますから。
しかし、これからパソコンを覚えようというお子様には、かな入力で教えたほうがいいと思います。デメリットがないから。本当にデメリットがないんです。
強いて言えば [alt]+[かな] を元に戻し忘れると迷惑がかかるというぐらいか。
俺は習得に2ヶ月も掛からなかったし、無料無料と言いながら後から高額プラン契約させられたりしないし。
覚えてしまえばメリットがデカイわりに、デメリットはない。こんな取り引きナカナカありませんよ。
一方、すでにローマ字入力で慣れている人は、改めるべきではありません。
大人が一本指でキーボードを操作しているのを見られるのは、スマホを延々と両手で操作していることより「うわあ感」がありますからね。
今日はそういう「おさそい」の話でした。
マイルドだろぉ?
Author ウェブデザイナー久川智夫
せっかくなのでこちらの記事もご覧ください
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アメリカでsunの仕事をしてましたが、英文は英語で日本語はかなで書いてましたね。もちろん、英語キーボードのばあいはかなを表示することができないのでローマ字ですが・・・kawasaki city ・・・ローマ字入力じゃないね、これは。
頭で考える言語で入力するのが一番早いのは間違いないですね。
ローマ字というので入力するのはかな入力できない人だとずーっと昔から言われてた、ローマ字かかわいそうにと心の中では思っていても口には出さないのです。逆にローマ字入力しかできない人はローマ字が主流、かな入力は古いと大騒ぎしてますね。これは、自分のスキルの低さをごまかすためとみてます。
日本人のゆとり教育の成果(笑)でしょうね。
キーボードを自国語以外でする民族は日本だけでしょう。いやローマ字は言語でさえない。いまや、駅や道の表示でも使われなくなりました。いったい、ローマ字を覚えることになんのめりっとがあるのでしょうか。ローマ字してる人で英会話できるかたがいないんですが・・・。
たまに話すのを聞いてても発音がまったく通じないので意味がわかりません。
やすきに流れるということでしょうか?
しかし、私も速習1週間でかな・英文覚えたのでたいしたことないんですがね。
英文ができるのでドイツ語、スペイン語もタイピング用の表示し方を使ってできますね。
ローマ字入力もできますけど・・・・ばかばかしいですね。
実は小学校でローマ字入力を教えましたが、どうしてもということでした。
なぜなら、小中学校にはパソコンの授業はないのです。
文科省から各科目の年間の時間が決まってます。パソコンは社会の授業などで情報検索に使いなさいということなのです。
入力は国語の時間に数時間ローマ字の教育があるのでそれをあてたのです。
なので、ローマ字入力になりました。
子供たちがかわいそうだと思いますが、公立の貧乏人の幾学校じゃしかたありませんよ。
先生のスキルも低く、かな入力ができないのですし、パソコン教室の講師なんて素人だからかな入力ができないためにローマ字入力を勧めるのです。
大きくなったら自分で気づいて直してくれーーーと思いながら、教えました。
教え方もローマ字の場合は適当です。ゲームで出てくる文字をうつだけ。
運指もホームポジションもありません。ローマ字ですからね。まじめに教えても無駄でしょ。
ローマ字を教えられるような環境の子どもは親も貧乏だし、教師の質も悪いし良い学校に行くことも、偉くなることもないですから。
将来がしれてますから、まともに教えてもしょうがないんです。
いまは学校をはなれて、きちんとかな入力を教えてますが、75歳でも1か月で完璧にできますよ。
かな入力について調べていて読んでみました。
>今日はそういう「おさそい」の話でした。」とあります。
>やたらパチパチ叩いてたけど大して進んでねえじゃねえか
>意識的にも無意識的にも無変換でおこなわれているはずがない
>本当にデメリットがないんです。(かな入力)
>かな入力をしない人の墓に糞ぶっかけてやろうとか、
そういうことを考えているのではありません
かな入力をおすすめする気持ちは理解できますが、何というかローマ字入力を同じ舞台ではない、敵性語というより言葉ではないって感じで見ているようで複雑です。記事中で好きなほうを使えばいいじゃんとおっしゃるなら子供には一方だけでなく両方教えてあげてください。私も勉強中ですがかな入力を好きになってくれるといいですね。
コメントではローマ字は低スキルの証明、運指もホームポジションもない、英会話に支障が出る、ローマ字で後悔、ローマ字は言語でさえない、ローマ字は底辺のバカ、子供たちがかわいそう、親も貧乏、教師の質も悪い、良い学校に行くことも、偉くなることもない等々。もはや、ローマ字入力にかこつけて罵詈雑言を吐きたいだけかと思いました。どうしてそこまで馬鹿にできるのでしょうか? 頭おかしい人が多くて怖いです。
カナ入力のブラインドタッチをマスターするのに時間がかかるというのはウソ。
私は、中学生になったときにローマ字入力のブラインドタッチをマスターし、高校、大学、大学院の後、社会人1年目で、カナ入力もブライドタッチをマスター。
このとき、2週間大変でしたが、2週間でマスターできましたよ。
カナ入力の最大のメリットは、頭で日本語で考えていることを、そのまま最小限の脳の使用により入力できること。
ローマ字で打っていた時よりも、思考回路に余裕ができます。その分、頭を使わなくて済むから、痴呆症対策には向かないかな。
現在は2018年ですが、今この記事を読みました。自分はかな入力について研究を行っている高校生です。かな入力を使用している人が少数すぎて、なかなか接触を図ることができなかったのですが、もしよろしければ、かな入力の速度(その他諸々)についてデータを取りたいです、、ご協力頂けませんか?
かな入力とローマ字入力の両方を使う僕はハイブリッドです。
それぞれの使用歴は
かな入力→去年から初めて数ヶ月
ローマ字→5歳から初めて20年
かな入力はまとまりは良いですが作業がし難い。
ローマ字入力は作業がしやすいですがまとまりは悪い。
女と男みたいなものですね。
かなとローマ字とハイブリッドがあったらいいのに。
ついでに男と女も皆が中性になればいいのに。
令和元年からやってきた未来人だけど、音声入力最強だよ口に出したことがそのまま文字になるんだから。
敢えてデメリットを言うなら句読点や改行の位置を入れ忘れることかな。
絶対にどんな文字入力よりも早い。
はじめてキーボードに触った大昔はカナ字入力でしたが、現在はローマ字入力になりました。家庭では良いですが仕事で特殊なソフトが入ってるパソコンを複数の人と共有で使う場合。(ずっとそんな環境にいます)最初のユーザー切り替えの画面のパスワードやIDは英数記号しか入りません。
日本語よりも英数記号を打つ頻度が高い仕事の場合はカナ入力を使わないので忘れてしまいました。
かな入力は使いやすさでは無く、歴史的な経緯で慣習的に配置が決められた為に退るのは必然な様に思います。
英字の配列だけ覚えればパソコン上で全ての事を行える為、汎用性の面でローマ字入力が普及して然るべきです。
覚えてしまえば印字はあって無いような物なので、自分はusキーボードで親指シフト入力を使っています。
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楽というより勝ち組といっていいのでは、しょせんローマ字は低スキルの証明
しかも、英会話に支障が出るのがはっきりとしてますしね。
英語とローマ字は全然別物。
ローマ字って道や駅からも撤去されてますよ。入力もかな入力のほうが簡単に覚えます。英文も外国語もすぐにできますよ。
2chでもローマ字で後悔してるのばっかりです。