このページは、久川がかつて1999年に立ち上げてクローズした趣味サイト『GUNDAM DICTIONARY WEB』のリサイクルページです。
なお、このコラムの執筆は2006年であり、その後に発表された作品の中で塗り替えられた設定等があるであろう旨、ご考慮いただいた上でお読みください。
さて、ここでは、ガンダムの作中にて綴られる歴史について大まかに説明したい。
といっても私が解説する歴史とは『∀』における「黒歴史」の解明にその殆どを費やすものであり、初心者のガンダマーの方にとっては些か解りづらい部分があるやも知れない。
しかし、筆者としても出来るかぎり噛み砕いて説明する努力をしているので、是非とも最後までお付き合い願いたい。
Contents
まず初めに記しておくべきことは、このサイト(筆者注・閉鎖した『GUNDAM DICTIONARY WEB』のこと)は全てのガンダムを肯定して紹介しているということ。
故に最初に解説するガンダムの歴史も初代ガンダムのものではない。ガンダム史のスタートは A.D.1979。
そう、機動戦士ガンダムの放送開始こそが全てのスタートなのである。
※ ところでこれは余談だが、本当に黒歴史を全て解明しようと思ったならば、ガンダム本だけでは不足である。膨大な数の歴史書が必要だ。なぜならば人類の誕生から21世紀に至るまでに起きた全ての史実、キリスト誕生やモンゴル帝国、大航海時代に産業革命、そして世界大戦と、また冷戦以来今まで続く宇宙開発さえも、正歴 2345 年から観れば「黒歴史」ということになってしまうのだから。そう、幾ら黒歴史が「宇宙戦争の歴史」とはいえ、その根底はこん日にもあると――君は!!
放映の後、ガンプラ・シミュレーションという未知の技術を引っ提げて我々の前に現れた『プラモ狂四郎』、彼もまたガンダム史の一端を担う者である。
彼だけではない。
そののち現れたカードダス・マスター・土田名人のような実在(?)の人物でさえ、ガンダム史のひとつに数えられる。
だが、彼らのこと全てを語るには余りにページが足りない。
なぜならば、ガンダムに関わった者は皆一様に、それは『GUNDAM DICTIONARY WEB』作成者の私でさえも、今このページをご覧になっているあなたもまた、黒歴史のみならずガンダム史の一部分に数えられるからである。
この時代は、この後に紹介するどんなガンダム作品以上に凝縮されている部分である。
なぜならば、あのギレン総帥やバスク大佐が、たとえ何億人の人民を虐殺しようとも、あの女王マリアや王女リリーナが、たとえいかなる善政を敷こうとも、所詮それはアニメの中の出来事であり嘘ッパチでしかない。
しかし今この我々が『ガンダム』という作品を観て受ける感動は全てが事実であり、なんか俺スゲエ臭いケド結構巧いこと言ってるなとか思ったりして実は腹抱えて笑ったりしてるからもう次行ってみよう。
ガンダムは宇宙の話である。
宇宙ありき、宇宙なしには存在しえない作品である。
ところで、皆様もご存知の通り人類と宇宙との関わりは意外と新しい(といってもガリレオやコペルニクスの話ではない)。
それは初代ガンダムの放映から遡る事 22 年、人類は旧ソ連のスプートニクをして、初めて宇宙へのチャレンジを果たした史実である。
その後はアポロ 11 号、間を開けて我らが毛利衛氏や向井千秋氏が宇宙へとはばたき、20 世紀は宇宙への挑戦の世紀となった。
だが残念なことに、それでも「宇宙開拓まであと少し!!」というところまではそう簡単に達せられないのが、アニメと現実との異なる点であろう。
A.D.1983はミノフスキー博士誕生の年(偶然にも筆者と同年生まれである)、そして A.D.1999 地球連邦政府発足の年である。
だがこれも残念なことに、達せられなかった。
そしてA.D.2009の連邦軍の設立もまた、夢に終わることに違いない(筆者注・執筆時は 2006 年)。
ガンダム史に早速も間違いが? しかしちょっと待ってほしい。
監督自ら手掛けた小説に『アベニールをさがして』があるが、まず今世紀我々は人類史上最大の危機に直面することになっている。
それは巨大隕石の衝突であり、国連はこの災厄から逃れるべく、スターバスタープロジェクトを発足させ……という、このクダリである。
いま確か、国連と言ったな。
確かにこの計画はダミー・プロジェクトの名として登場している。しかしこの作品の後半では、「プロトフロンティア」と称したスペースコロニーが登場しているのである。
そう、初代ガンダム放映当時、そしてこの設定の出来上がった頃にはまだ余裕のあった A.D.1999 の連邦政府発足が、A.D.1995 に書き上げられたこの小説において、ハッキリと国連と改められたのだ。
故にガンダム史にはまだ間違いが生じてはいない。
年表が先走っただけであるとムリヤリ解釈してしまおう。
ウチは全肯定だから、こんなことができてしまうのだ。
閑話休題「小説『アベニールをさがして』を知っているか」
この作品を「ガンダム」と呼んでいいのだろうか、果たして解らない。
富野監督が95年に書き下ろしたソノラマ文庫の作品であり、巨大ロボットの名は「テンダーギア」。モビルスーツの名はどこにも出てこない。
しかし今やガンダムの代名詞ともなった「ミノフスキー粒子」の単語はシッカリと出てくる不思議、その上「アナハイム」や「フォン・ブラウン」の名も見られる。
ちなみに肝心のストーリーの舞台は21世紀、軍国主義者たちが組織した自衛隊の後身組織・サージェイ(SAVE-JAPAN)が支配する日本である。
それを遥か宇宙から観た「アベニール」という人物は、日本の軍国化を懸念してベストン・クーリガという遣いを差し向けた。日本の技術力を越えた、強力な戦闘兵器と共に……。
そしてこのプロトフロンティアへのサージェイ(新日本軍)介入は秘密裏に進められ、その存在は A.D.2045 まで隠された。
あるいは、後の調べでこの二基の試作コロニー完成がこの年と発表されたのかも知れない。
とにかく今世紀前半は、直にガンダム史と関係のある出来事は起こらないのである。
だからといって A.D.2046=U.C.0001 と確定することもできないのだが、それではミノフスキー博士が寿命で死んでしまう。俺も死んでしまう。
まあ最低限わかっていることは、所詮一般の人間は、幾ら早くとも A.D.2045 までは宇宙に上がれないことになっているという、これだけが A.D. の中で唯一確定したガンダム史であろう。
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Author ウェブデザイナー久川智夫
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