バブカセ的追記コラム 2011「ある年のハードオフ日記」
○月×日
小山のハードオフに行く。ビクターの RC-X750 をめっけた。1,500 円だった。
状態イマイチ。魅力的な機種には間違いないが、個人的にこれの一個前のシリーズが角張ってて好きだ。「あだち充状態」と俺が勝手に呼んでいる、80年代前半の絶妙なエッジ。形状だけでその時代が特定できるって、あのエッジを流行らせた人はすごいと思う。カローラもサニーもシビックも、80年代前半のモデルは形ですぐにわかるから。
△月□日
鹿沼のハードオフに行く。シュトラッサーめっけた。俺がちょっと欲しい CSD-XR90 かと思いきや、その下のやつだった。シルエットが似ているのでよくだまされる。ソニーの子会社になって消滅したアイワだけど、ポータブルのカセットプレーヤーで結構お世話になりました。バブカセ戦争の一翼を担っていたアイワもサンヨーが、それぞれソニーとパナソニックに吸収されたのは、国産黒モノ百花繚乱だった時代を知る者にとっては寂しいことだね。量販店のテレビコーナーに行ってみるといい。これほどまでに韓国勢が幅をきかせるようになるなんて、誰が予測しただろう。
‰月㍊日
筑波のロフトに遊びに行き、その帰りに地元のハードオフで RX-DT901をめっけた。
スピーカーが布張りの面白いモデル。2,000円。でも、造りがシンプル過ぎて俺好みじゃないのは残念だ。909と比較すると、901のほうが好きなんだけど。
親父が昔乗ってた 12クラウンはインパネがボタンだらけで、それが凄い車って教えられたせいで「ボタンが多い=最強」と刷り込まれた俺にとっては、やっぱりRX-DT9やCFD-900は凄い機種、ということになる。
縄文土器と弥生土器だと、子供の発想でいけば縄文のほうがゴテゴテしてて新しいって思う。けど、人間は無駄をはぶく生き物だから、キーボード付きのノートパソコンがいつの間にかiPadになったのは正常進化なのだろう。
このページは、久川がかつて2006年に立ち上げてクローズした趣味サイト『バブラジリア』のリサイクルページです。画質が粗いのは、何台か除籍(スクラップ)にしてしまい、再撮が効かないからです。
名機 X90 の下に位置する、音質を推すビクターの代表的な機種です。
我が家の X80 は経年劣化も少ないようで、コレといったイコライザー機能もないのに、隣室からでも幅広く音が出ているのが分かる上、高いところに置いても、少々広い部屋に置いても鮮明に聞こえます。
弱点といえば、バックライトが無い点、赤白のライン入力端子が無い点ぐらいでしょうか。
しかし変換コネクタを使えばPC用にでも何用にでも使えるので、別に気にしないことにしましょう。
FL管もバックライトも無いということは、反対に、それが切れることは絶対にないということです(高級感は一格落ちますが、90 と 80 とではレア価格が五倍から十倍ほど違うので、音質が同じならオススメは 80 です。これは RX-DT9 と 99 についても同じ)。
バックライトは後継の X750 までおあずけ
機体自体は X90 の廉価版といったところですが、『バブルラジカセ博物館』さんの発売年表を見ていると、ベースモデルである X90 の発売が 88 年、ソニーの 900 が 89 年(当機種と同じ)、松下の DT99 が 90 年という流れを考えますと、音質にこだわるビクターが「音も大切だけどデザインも今風にせねば!」と焦って RC-X750 を出したように思われます。全然違かったりしてな。
しかし、ソニーのソナホークと松下のコブラトップが、従来の大艦巨砲主義を捨てて独自の形状路線を歩み始めたのに対し、ビクターは後に X999 という、それこそ大艦巨砲主義の権化のようなマシンや、ドラムカンのような悪ふざけとしか思えないマシンを世に送り出してしまうのですから面白いもの。
世のセダン車が流線型のシルエットに向かったよう、この X80 は「ラジカセといえば四角」という概念を背負った最後のラジカセであり、あだち充の漫画に出てきそうなオーディオの系譜はここで一度途絶えることになるのです。
ベーシックなモデルといえば、この機種か
LIVE PHONIC はなかなかに良い機能ではあるのですが、これは正直な話、かなり使い所が限られるものです。
と申しますのも、この機能を使ったまま歌謡曲を流すと、イマイチ声が聞こえません。
ライブDVDでアーティストが観客に「それじゃあみんな元気出していこーかー !!」と叫んでる感じで、辛うじて歌が聞こえるのみ。反面、著名なクラシック音楽やスーファミ時代までのゲーム音楽のように、メロディがハッキリしている曲では効果抜群。
性能は良いくせに、そこそこ弾もあって安い点が、この機種の魅力です。
コストパフォーマンスの高さで勝負したい
Panasonic RX-DT9│RX-DT99│RX-DT909
SONT CFD-900│CFD-700│ZSX-G7000
Victor RC-X80│RC-X999│SANYO PH-PR910
Author ウェブデザイナー久川智夫
せっかくなのでこちらの記事もご覧ください
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