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後の『スマブラ』先取りしたと言えなくもない、任天堂オールスターズ総出演のゲーム。
システムは『オカリナ』以前のいつものゼルダなのですが、ハードが携帯用であることと、設定上閉じられた島が舞台となっているので、他シリーズに比して箱庭感覚の強い点が特徴でしょうか。難易度も低めです。
もちろんゼルダだけに遊び応えのほどはお墨付きですが、この作品の肝はストーリーにこそありましょう。
主人公は、漂流した島で憧れの姫様そっくりの女の子と出会い、村人たちと仲良くなります。
しかし冒険を進めるうち、この島が夢の世界であり、いつか消えてなくなるものと知るのです。
冒険を進めれば進めるほど目覚めは近付きますが、島は消滅するという切ない二律背反と向かい合わねばならず、「♪ゲームボーイでどこでもゼルダ~」の爽快なCMソングとは裏腹に、主人公に課せられた苦悩は深く重たい。
しかし、それでも主人公は何にも言いません。
『スターオーシャン』みたく、「……」多用の中学2年生が書いたような台詞は一切口にしません。
彼はとっても無口なので、いつもどおり敵を屠り、草を刈り、時おり万引きなどの悪事に手を染めながら、戦い続けねばならないのです。
やっぱり主人公はベラベラ喋らんほうがいいよなあ。
この作品は、『FF』シリーズに見られるような、「ストーリーで泣かせる」タイプのゲームではありませんが、主人公リンクさんへの思い入れが強ければ強いほどクライマックスには泣けてきますし、反対にタダのアクションRPGとして遊べばサラッとヌルッとクリアできてしまう、そんな作品です。
ただし、感動的な作品ではあるのですが、世間や自分の高評価の中には「かぢばあたる補正」がかなり入っているのでは――と思われる部分があります。
とにかくこの作品はコミック版が絶妙に良く、島の人々が全て幻であり、夢から覚めることでそれらが消えてなくなると気付かされたときのリンクさん(相互リンクとかの“リンク”と混同を避けるためと、吉田戦車の影響で、俺は奴をリンクさんと呼ぶ)のショックが巧みに表現されている点、
ゲームには登場しないナビゲート妖精フェリサとの出会いと別れ、ヒロイン・マリンちゃんのさわやかさと、人工物のほとんど無いコホリント島とのコントラストが、
「夢の中に出てきたクラスの女子が気になる」ような、どこか思春期の思い出をくすぐられるような気もして切なくさせられるあたり、さらに、海の向こうの世界に憧れるヒロインのオボコさも、内陸県人には共感できるところがあったりして、かぢば氏の感性には敬服させられます。
しかし、二次モノはやはり原作あってのもので、このゲームに対する自分の評価は揺るぎそうになく、遊んで「損をした」と思わせるような作品ではないので、ゲームボーイカラー版が手に入る方は是非プレイしてみてください。
1993 年当時、ヨッシーとかカービィが任天堂でどのように遇されていたかを知る史料としても、一遊(?)の価値はありそうです。
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