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新銀河帝国／シュタインメッツ艦隊

カール・ロベルト・シュタインメッツ上級大将

シュタインメッツ艦隊の提督。かつては中央の軍とは無縁な男で、辺境でのみ武勲があったが、ブリュンヒルトの初代艦長としてラインハルトの下で戦った。その後再び辺境へと戻るも、その平らげた辺境を手土産にキルヒアイスと合流し、以降ローエングラム軍の一員となっている。武勲は赫々たるも、門閥貴族ならざる故に旧体制下では出世が遅かったようだ。その合流の際、彼にヴェスターラントの噂を伝えると、キルヒアイスに大きな難題を与えていた。それからも地味に地道に武勲を重ねてはいたが、バーミリオンの前哨戦において背水の陣を敷くヤンの含みを見抜けず全滅に近い大打撃を被り、その後はガンダルヴァ星系の司令官となって、ハイネセンで暴動が起こればその鎮圧のため動こうとする。これは踏み止まったものの、このとき彼は副官に「私に万一あれば惑星を破壊せよ」と強固な決意を語っていた。新人事では固辞したヒルダに代えて幕僚総監、名実共に軍部の重鎮となり、回廊の戦いではマリノと壮絶な戦いを繰り広げるが、メルカッツによって側面を襲われた。左足を潰した直後、戦死している。ちなみにグレーチェンという恋人がいたが、ラインハルトにはばかり籍を入れず、彼の財産はその女性へと渡された。艦隊旗艦はフォンケル。

クルーゼンシュテルン大将

シュタインメッツ艦隊の副司令官。帝国側レギュラーと補佐役との関係には様々あって、ミュラーやアイゼナッハのように参謀長がナンバー・ツーを勤めるところもあれば、ファーレンハイトのように副官がでしゃばって副司令官は実戦にのみ武名ありといったところもある。シュタインメッツ艦隊においてはそれを副司令官が担い、和約の後、上官が勇んでハイネセン入りを試みた際はこれを諌めたり、副司令官が参謀と副官の出番を奪っていた。尤もこの時は気押され、ガンダルヴァの留守を受け持つ事で同道はしていない。

ナイゼバッハ中将

シュタインメッツ艦隊の参謀長。シュタインメッツにとっては、「痒い所に手が届く」存在。ヤン艦隊がブラックホールを背後に布陣した理由を察して報告した。回廊の戦いで司令官は最期にボーレン参謀長の名を呼んでいるので、こちらの参謀長は転属したものと思われる。

ボーレン中将

シュタインメッツ艦隊の参謀長。ナイゼバッハの後任と思われる。回廊の戦いに参加、シュタインメッツは死の間際、指揮権委譲のためだろうか、彼を呼ぶが、遂に返事はなかった。

リッチェル中将

ガンダルヴァ赴任の際、駐留司令部の総書記を勤めた将校。回廊の戦いに不参加だったお陰で戦死を免れる。後方の軍官僚としての優秀さと旧同盟に詳しい実績を買われ、ノイエラントでは軍事査閲副総監となるが、総監のベルゲングリューンとは関わりなく、クナップシュタインらからは妬まれることはなかった。ロイエンタールにイゼルローン脱退組の拘禁を進言するが、これは容れられていない。

マルクグラーフ少将

シュタインメッツ艦隊の幕僚と思われる。シュタインメッツの司令部唯一の生き残りで、彼が上官の死をラインハルトに伝えるまで三分を要した。このとき彼自身も頭に傷を負っている。

ルンプ中佐

シュタインメッツの護衛隊長。上官がガンダルヴァからハイネセンに赴く際、これに付き従う。

セルベル中佐

シュタインメッツの副官。彼の報告の正確さをシュタインメッツも信じていたが、彼が受けた最後の報告は「閣下の左脚は完全に潰れている」というものだった。最期に謝意を口にしたシュタインメッツだったが、血も蒸発するブリッジで彼の耳に届いたかどうかは分からない。