No.043 は、鶴瓶ちゃんの入門当時のエピソードと、有名な「榎木記者とモメた話」からスタート。劇場にタダ見に現れた同氏と、入門四日目の鶴瓶ちゃんとの熾烈な戦いについて、「なぜタダのことをアオタというのか」、「竹に指つっこんで抜けなくなってもまあええわ」などの快作トークが、この回ほとんどを使って繰り広げられた。ほか、「若い女が街中でタバコを…」でエンディングへ。この日は、三十秒ノリに続く新しい発明「マイナス五秒ツッコミ」が披露されている。
(大学時代の鶴瓶ちゃんは、勘当されていた)――「 "親でも子でもない" やなくて、"お前は子やで" って言いながらの勘当や」
(鶴瓶ちゃんの辿々しい喋り方は松鶴譲りか)――「そんなこと言うの ?! 言うたらあ、今度。ウチの師匠に。紅葉寺行って墓掘って。骨に言うわー俺。"師匠あんなこと言うてはりましたでー"って」
(龍太郎師匠にツッコんだ観客を一喝!)――「…俺がこんな優しい人間に育て上げたんや! それをようツッコめるなあ !?」
(入門まもない鶴瓶 VS 新聞記者)――「 "オマエ辞めさしたらあ" って言い出したんですよ。ほいで俺、"えっ、辞めさしよんのか。" って思ったんですよ」
(踏ん切りのいい考え方)――「竹の、穴に指つっこんで、グーッと取られへんと。一生取られへんようになると。"もうええわ" って思うほうなんですよ。ふふふふふ」
(ピンマイクが落ちるハプニング)――「すると、ギャーッと取って…。…マイク取れた。ギャーッ取って。…(ピンマイクに顔を寄せて)ギャーッ取って。…いや、"ギャーッ取って"が入ってなかったらイヤやから」
(窮鳥も懐には入らば猟師もこれを撃たず)――「キュウチョウって誰や。ウチのとこは金井っちゅうやつやって、そいつ今は歯医者なっとるわ。材木屋の息子でねえ、長井に住んどった」
(文房具屋に行くと必要もないのに欲しくなる人からハガキ)――「…ガッとポケット入れたらええやん…」
(曖昧な喋り口調で、今まで通してきた鶴瓶ちゃん)――「それは、今までの世の中で通ってきただけ !! 俺の前では通らんよ !?」
(隠語。無料をアオタという理由)――「タダのことアオタっていうけど、アオタのことタダとは言わんやろ。"いやあ、田園風景、タダが広がってますなあ" って」 , 「まだ実りがない、つまり収穫がない、この人に入ってもうても木戸銭入らんから、カネが儲からん。実りのない客を、アオタ」
(無賃観覧の知人に、松鶴師匠が "去ねカスが")――「言えんで、"去ねカスが" っちゅうのは。こういう事はナカナカ言えん。"イネ ミハシ" っちゅうた人はおるけどね」
(手品師のハト)――「あの蝶一さんのハトはあれ、窮鳥やな。懐に入っとんねん。せやから撃たれへん。撃たれへん代わりにラッカー塗られんねん」
(ブワーッと、ドーッと、グオーッと…。擬音だらけの鶴瓶話術)――「あっ、それでキミの話はおもろいねん。聞いてるもんが想像力の翼を拡げられるやろ!」
鶴瓶「そのとき俺まだ名前も何にも付いてませんから。
そのときに僕は "下足札" をやってたんですよ」
上岡「なるほど、まだ入って四日目や!」
鶴瓶「そこへ、その新聞記者がエラそうに来たわけですわ」
上岡「はー、はー」
鶴瓶「いっつも来てまんねん。
もうアオタで通りまんねん」
上岡「アオタね。これはちょっと
世間の人には言うたげなワカランけど」
鶴瓶「アオタというのはね。あの――」
上岡「むかし別当と並んでね」
鶴瓶「 (^^) ―― (拍手) 」
上岡「滝川中学ではそらスゴイ人でねえ。
そののち巨人に入ってねえ、大洋にも行った
阪急にも阪神でも請負コーチと言われましたですが」
鶴瓶(腕時計で秒数をカウント)
上岡「ノボルちゃんと我々は呼んでますが
その後いっぺん巨人のコーチに返り咲きかけたんやけど
これがまた暴力団とつながりがあるっちゅうんで
急にクビになってしもてねえ。
それで今では野球解説で、頭は白いですが
やってましてねえ。
ナカナカあの大阪弁で、言うこともハッキリしてるし。
で、面白いし。いやあ、なんですねえ。
その青田さん――
そのアオタと違うやないかいっ !!」
(客席拍手喝采!)
鶴瓶「――待て! お前らなあ、お前らオカシイんちゃうか !!
冷静に考えてみい。
アオタという意味が分からんのにもかかわらず
あんた青田でボケて
この人らが理解するってどういうことやねん !!
アンタは俺にあずけたんと違うか、アオタの説明を !!
あんだけイヤがってた三十秒ノリを
自分から出してどないすんねん!」
上岡「…今の三十秒あった?」
鶴瓶「三十秒キッカリありました!」
鶴瓶「俺はもう、"辞めたら終わりやぞ? " っていう
人間になってるワケですよ」
上岡「すると、こっちの新聞記者も一人の人間で
それまでの地位も学歴も財産も家庭も全て捨てて
下足ふだをパッて投げつけたんやな!」
鶴瓶「――ということは、つまり
ウルトラマンがこの、頭のコレを
ビューッと投げたときですよね!」
上岡「 (^^) ……そお?」
鶴瓶「 (^^) ……」
上岡「ウルトラマンは、学歴も知識も家族も捨てて
頭のコレを投げるの?」
鶴瓶「そうそう。ウルトラマン
ええ大学出てるの知ってまっか?」
上岡「ウルトラマンの学歴どこ」
鶴瓶「ウルトラマンはええ大学出てたで、確か」
上岡「ホンマ?」
鶴瓶「ええ。たしか国立でしたわ」
上岡「 (^^) ………」
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