鶴瓶・上岡パペポTV
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PAPEPO FOREVER

What's PAPEPO
『鶴瓶・上岡パペポTV』とは、1987年4月14日から1998年3月31日にかけて、よみうりテレビ制作(日テレ系列)で放送されたトークバラエティ。昨今のお笑い番組に見られるような騒々しいテロップが一切無く、素材をそのまま切り出したような造りが特徴。今なお多くのファンが存在する。
笑福亭鶴瓶
1951年生まれ。六代目松鶴の十一番弟子として落語家デビュー。実体験を基にした鶴瓶噺には定評があり、ラジオパーソナリティ時代以来の根強いファンが多い。若手芸人のようないじられキャラから、映画俳優までこなすマルチタレント。ベーさん、ベー師匠の愛称で親しまれている。
上岡龍太郎
1942年生まれ。漫画トリオのメンバーとして漫才師デビュー。後年のファンからは『探偵!ナイトスクープ』の初代局長として知られる。切れ味鋭い毒舌家ながら、愛嬌のあるキャラクターが愛された。2000年をもって芸能界を引退。占い師・心霊にまつわるエピソードは今もって語り草。
No.425
1995/10/06

墓参り

No.425 は、師匠の墓参りに出かけた鶴瓶ちゃんが、笑福亭の起こりについて説明。絡めて、「墓と宗教は必要か」、来世の存在についてなど、深くも楽しい話題。続いて、「一番命日が有名な人」はなぜか忠臣蔵に、「もしもマッチ売りの少女の舞台が夏だったら」、鶴瓶ちゃんのトラブル遭遇シリーズは、「故障したATM」、ヤクザの親父が奥さんに説教、電波少年で故宮博物館に赴いたエピソードなど。鈴木史朗氏おなじみの鉄板話「十一人が焼け出された」でエンディングへ。

今日の鶴瓶噺

(笑福亭は実は "松福久亭")――「笑福亭の "しょう" っていうのは、昔 "松" やったんですよね。"く" は "久" しいなんですよ」

(鶴瓶ちゃん思う)――「来世なんてねえ…。無いで!」

(上岡も鶴瓶もこの身体の大きなお客さんも神)――「大神拝んどこ!」

(龍太郎師匠の不思議)――「アンタなあ、何でそない街にモメ事振りまいて生きんねん !!」

(本当に明の時代の皿か?)――「裏に "明" って書いてあったがな!」

今日の上岡語録

(松鶴師匠の命日は?)――「命日も覚えてないモンが墓参り行ったって、それはもう形式だけのモンや!」

(墓なんかいりません)――「生きてるモンが住む土地が無いのに、なんで死んだモンにあんなようけ土地をやらなアカンねん!」 , 「墓があるからやないか。なかったら汚い花も腐った水もお線香もないんでしょ? 墓をなくしゃええねん。"抜本的な改革" っちゅうねん、そういうのを」

(来世はあるのか)――「それは分からん。これを "ある" っちゅうヤツもインチキやし、"無い" と言い切るヤツも嘘つきやわな。"分かりません"と言わなイカン」

(飛行機揺れたら念仏を)――「そんなん言うたら、日蓮が困ると思って言いませんよ。日蓮は飛行機知りませんからね? アイツ。"そこまで責任はよう負わん" て言いよるよ」

(困った時でも…)――「阪神だっていつも広田神社に参りに行くやん。アカン、と。広田神社の御祭神は何か知らんけども、野球のこと知らん、と。そんなヤツに頼んだってダメやで、と」

(けだし名言)――「 "死ぬのが怖い" っちゅうけど、怖くない。生まれる前が怖くなかったんやから」

(あなたも神様わたしも神様)――「僕は自分で自分を神やと思ってますからね。ただ、僕と麻原彰晃とか大川隆法とか、あんなんと違うとこは、僕は、僕も神やしこの人も神やと思ってる」

(ヤクザが娘を説教)――「メッセージはいいんですよ。言うてることは正しいんでしょ。何も間違うてないワケでしょ。それを言うてるヤツがヤツやから、オカシくなるワケでしょ。つまり、メッセージはええけどメディアが悪いんですよね」

墓参りの意義

鶴瓶「あなたのお父さんの墓はどこにありますのん」

上岡「無いです、そういうもんは」

鶴瓶「えっ ?!」

上岡「この地球というのが、ウチの親父の墓です」

鶴瓶「あのなあ、キザなこと言いなはんな。
ほんならどこに花添えまんねんな」

上岡「心の中に花を添えて」

鶴瓶「ちょっと待ってえな……。
アンタいっつも上手いこと廻って
"あー" ってテレビ観て
 感心する人もおるやろけどね。
 ――行かなアカンがな !!

上岡「なんで行かなアカンの」

鶴瓶「アホなこと言いな !!」

上岡あっ、霊感商法やってるなオマエ!

鶴瓶「違う違う! やってないやってない !!」

上岡「霊感商法やないかい。
仏壇買わなバチ当たるとか
お墓参りせんことには祟りがあるとか」

鶴瓶「線香なんかそんなん安いもんやん、あんなん!」

上岡「安いもんでも霊感商法や、それは!」

鶴瓶「いや、ちょっと待ってえな……!」

上岡「人を脅かしてカネを取るという!」

鶴瓶「脅かしてへんやん !!」

上岡「 "行かなイカン" っちゅうのは脅かしや!」

鶴瓶「いや、墓は参るでしょう ?!」

上岡「なんで ?!」

鶴瓶「 "なんで" って…! なんかスッとするじゃないですか!」

上岡「キミは生まれつき "スッとするよ" と
学習しているからスッとするだけで。
あんなことでスッとするというのは――」

鶴瓶「僕はねえ、子供の頃は行かなかったですよ?
でも、なんか行かなアカンような気になってここ最近――」

上岡みんなヤメないかんよ? ああいうことは

鶴瓶「ちょっと待って、アンタ!」

上岡「生きてるモンが住む土地がないのに
なんで死んだモンにあんだけなようけ
土地をやらなアカンねん」

鶴瓶「ちょ、ちょっと待ってえな!」

上岡「あんなモン、どっかへまとめてグッと燃やして――」

鶴瓶「あんたこういう話になったら
鼻グゥッとふくらんで、眼ェがぁっと
涙目になって怒り続けるけども。
――ちょっと待ってえな!」

上岡「なんやねん?」

鶴瓶「あなたのお父さんや
  お母さんの墓はどこにあるんですか!」

上岡「知らん……」

鶴瓶「知らん ?!」

上岡「無いでしょう多分」

鶴瓶「はぇー……」

上岡「いりません、そんな形式は!」

鶴瓶「うわー…… んで心に」

上岡「形式だけで腐ったような水を
替えてるようなモンより――」

鶴瓶「ちょっと待ってえな!」

上岡「毎日心の中に――」

鶴瓶「いつもこれが腹立つわ。
墓参りしたことがエエ事でも何でもないけども
参った人間が、だんだんこう、悪いようになってくるわ。
あなたの意見で。――ええっ?」

上岡「キミはなに、ほんなら
家の仏壇に師匠の位牌かなんか飾ってんの?」

鶴瓶「そんな仏壇は持ってないですよ」

上岡「仏壇ないの家に ?!
仏壇買いなさいアンタ !!
祟りあるよ、仏壇買わな !!」

鶴瓶「……何で仏壇買わなアカンねんな……」

THEME SONG : I'LL BE THERE FOR YOU / THE REMBRANDTS

BEGINNING DIALOG : 「いまいままあ僕はね、今日久しぶりに墓参り行きまして」

ENDING LETTER : 一時間を標準語で通してみたらどうか

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