No.218 は、ピンクの大砲が去った新セットについて語る。「銀座に一ヶ月住みました」、「真っ白いズボンの弊害」、そして総集編の感想を話した後、今日は日本の古典について。「松尾芭蕉の "かわずとびこむ" のカエルの大きさ」や、「歌舞伎の良さと早変わりの見事」、日本人の名付け方・「あお」とはどんな色か、「海といわれて思い浮かべる光景」など。ラストは、「テレビが見世物化の時代に〜宅八郎について」、そして傑作「電車で叫び出すオッサン」でエンディングへ。
(旧セットを、昭和の大喜劇人に捧ぐ)――「ピンクの大砲がなくなった。お亡くなりになった寛美先生は、ピンクの大砲が物凄い好きやった。今度墓のところにアレを置いてあげようかな」
(内輪盛り上がりの芸術もあります)――「芸術や芸術や言いながら、ワカランモンもあんねん。やっぱりちょっとぐらい教えてくれな。芸術やと言うてる人らが、みんな寄って、ンン〜って言うてる。で、"なんでんねん! " って言うたら、ンフッ? …いま笑ろたな俺のこと !! 見たるかい !! ……って」
(この頃の中学生は…という報道はいかがなものか)――「中学生の味方さしてもらいますけどねえ、なんか女学生いうたらほとんどヘンな経験してるように思いますけどねえ、そんなもん一部でっせ。一部のヤツが 50 人ぐらいとしてるだけで。せえへん人多いでっせ、せえへん人は」
(困ったものです)――「今の中学三年生は全員が男の人と遊んでるように言うオッサンおるやん。中年のオッサン。"仰山遊んどんでえ" 言うて、お前が興奮してるだけや!! 湯気立っとるヤツもおる。"悪い悪い" って、お前のが悪いわ !!」
(いらないもの)――「いらんのじゃあ !! 色鉛筆の白はいるかあアホオ !! 紙が光るだけじゃっ !!」
(もし上岡が宅八郎に遭遇したら)――「絶対怒りますよ。三回ぐらい殴るわ」
(困った素人ランナー)――「もう 50 位、60 位なってんのに、競技場入ってきてからガーッと走ってるオバハンようおるやん。…あれキライやわー。それやったらそこまでにもっと一所懸命走っとけ!」
(奥深い芭蕉の句)――「古池や、かわず飛び込む水の音。… "それがどうした? " と言いとなるわな。でもこれを聞く人が聞くと、その広がり、無限の広さ、それぐらい奥深いものはない!」 , 「それぞれの心の中にある古池なんですよ。それぞれの心の中にかわずは飛び込んでしもたんですよ」
("あお" は緑色も指す)――「時代によっても青の定義というのはかなり違うらしいですよ。弥生人・縄文人・我々とでは、アオっていうても、アオの感性はだいぶ違うらしい。現に今、水彩絵の具とか色鉛筆でもアオって我々が見えるだけでも、何十色もあるでしょう」
(パペポの楽しみ方)――「我々が喋ってることを、どう面白がるか・どう楽しむかというのは、その人の知識の深さなり感受性の豊かさや思う」
上岡「で、あの、ゼンギー北京みたいなこと
しよったん知ってる?」
鶴瓶「ゼンギー北京って何?」
上岡「ゼンジー北京 !!」
鶴瓶「あっ、ゼンジー北京!
――俺また、ゼンジー北京の弟子で
前戯だけ上手い人かな思もた…」
上岡「 (^^) …それおもしろい…。
ゼンギー北京!」
鶴瓶「ゼンギー北京は
前戯だけガーッとやる……
(客を一瞥) 笑いすぎじゃあ !!」
鶴瓶「師匠が "青じゃあ !! "
そいつも、もうちょっと違う色を――」
上岡「 "これが赤に見えまっか? " とか
言われへんでしょう」
鶴瓶「そんなこと言うたら殴り殺されてしまう。
そのときにすでに
弟子三人ぐらい押入れで死んでたんや……」
上岡「 (^^) …どんな一門や!」
鶴瓶「僕らは立ってたんですよ、地下鉄の丸ノ内線で。
その人の両方脇あいてるんですよ。
"なんであいてんねやろ、こんないっぱいやのに…。
まあええわ、誰か座らはるからまあええわ…" って
思もたら、急にそのオッサンが――人類には !!」
上岡「! 」
鶴瓶「 "五十億の人間が住んでいる !! "
――ちゃーんとネクタイ締めた人。
その前の列の全員、長椅子の全員が
急にうなだれだした…」
上岡「 (^^) 」
鶴瓶「横の人も知らん顔してんねん。
"人類が植物と動物と共存している中において" ――」
上岡「おお、ちゃんとしたこと言うてはるやん。
五十億の人間が、今この地球上に生存している」
鶴瓶「そうそう…よう似てましたで顔」
上岡「 (^^) ……」
鶴瓶「ほんなら次、新宿三丁目から
バーッと人が乗ってきたんや。
アホなオッサンやなあ、本読みながら乗ってきたんや。
その人の横に、あいてるからパッと座りよったんや。
"あいてるから良かった" と思もてんねやろな。
で、ガターン…と動き出した」
上岡「人類には !!」
鶴瓶「………。」 (本を顔で隠しながら…)
上岡「この地球上に
五十億という人類が生存しておる !!」
鶴瓶(チラッとその人の顔を見て…)
上岡「………」
鶴瓶(また本に目を移す…)
上岡「幾多の動物植物と
この地球上で共存していくために !!」
鶴瓶(本を読んだままスッと席を立ち…)
上岡「 (^^) …黙って立っていった?」
鶴瓶「黙って本読みながら。
二宮金次郎みたいになってましたで !!」
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