鶴瓶・上岡パペポTV
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PAPEPO FOREVER

What's PAPEPO
『鶴瓶・上岡パペポTV』とは、1987年4月14日から1998年3月31日にかけて、よみうりテレビ制作(日テレ系列)で放送されたトークバラエティ。昨今のお笑い番組に見られるような騒々しいテロップが一切無く、素材をそのまま切り出したような造りが特徴。今なお多くのファンが存在する。
笑福亭鶴瓶
1951年生まれ。六代目松鶴の十一番弟子として落語家デビュー。実体験を基にした鶴瓶噺には定評があり、ラジオパーソナリティ時代以来の根強いファンが多い。若手芸人のようないじられキャラから、映画俳優までこなすマルチタレント。ベーさん、ベー師匠の愛称で親しまれている。
上岡龍太郎
1942年生まれ。漫画トリオのメンバーとして漫才師デビュー。後年のファンからは『探偵!ナイトスクープ』の初代局長として知られる。切れ味鋭い毒舌家ながら、愛嬌のあるキャラクターが愛された。2000年をもって芸能界を引退。占い師・心霊にまつわるエピソードは今もって語り草。
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99/05/22&29

琴参閣

琴参閣の前編は、「金比羅うどんを食べに行きました」という話題からスタート。「カツラの人はバレてないと思っているのか」、「台湾の追突事故はアッサリしている」、「マネージャーの常識の枠」など。ほか、四国の地で出会った面白い人々。「ブルータウンで出会った駐車場の案内員」、「自称【日本一うまいうどん】屋さん」について。ほか、「お茶の缶販売が普及するまで」、「新幹線に置いて行かれた衣装」、「ピーコのチンチンを掴みました」。後編は、漫画トリオ時代の思い出「追い越しを揉み消してもらおうと思ったら」から始まり、「バクチの天才・柳サンデー」、「芸人と一般人の境目」と流れ、傑作「童話とアンパンマン」、「すんまそん」の若者・流行り言葉と口をつくCM でエンディングへ。

今日の鶴瓶噺

(マネージャーをからかう)――「うちのマネージャーに "琴平と金比羅さん一緒やで" って言うたら "えっ ?! 琴平と金比羅さん一緒でっか ?!" って言うから "オマエ頭悪いなあ" 言うたらごっつい怒りまんねん」

(讃岐へ上陸! 夕方五時半なのに、うどん屋さんがやってない)――「どっか食べに行こうって、あのへん全部閉まってあんねん。俺の顔見て閉めはったみたいや。ホンマでっせ、みんな閉まってんねんもん。…ソープランドだけやってましたわ。うちのマネージャーが"やってまんなあ…" 言うからね」

(讃岐うどんが食べたい)――「高松から来た人が、"僕はそこ知ってますから! " って連れて行ってくれたところが、不思議なトコや。間違うたんや…。川の路地入ったら 【日本一うまいうどん】 って書いてあんねん。オッサン寝とんねん。…なんでそんなとこへ入る ?! 日本一うまいって書いてある。ほんならそこの人が"ここはウマないー! " って引っ張んねん!」

(………。)――「こないだねえ、ピーコさんのチンコ掴みましたわ。… "やめてよお !! オカマのチンチン掴まないでっ !! " って。ギューッと握ったらありましたで。ありました」

(バクチの強豪・柳サンデー)――「朝方、向こうからカチャカチャカチャって牛乳配達が来たから、この牛乳配達は男か女かというので、絶対男でしょう? で、柳サンデーは女! 可朝師匠は男言うたら、女がガーッ…と。これぐらい強かったんですって。芸人の話聞くとホンマに面白いでっせ。昔ってそれだけの迫力あったんやね」

(素人を飲みに連れて行ったら…)――「 "キミら、法律事務所に勤めてんねやろ ?! 二十六にもなって…" って言うたら、この子が "何でそんな話したん ?! " って言うからね、"ちょっと待て、お前らここまで連れて行ってもうて、僕、一般人じゃないよ ?! お前らが連れて行ってくれ言うたのに、自分の事情ぐらい正直に喋れ!! なんでお前にそんなこと言われんねん !! お前 26 にもなってアカンで !! " って言うてたら、コイツが… "すんまそん"。………。何がすんまそんじゃコラア ?!」

今日の上岡語録

(カツラ)――「あれいっぺん聞きたいんですが、かぶってる人は、分かってないと思ってかぶってんにゃろか? 例えば、こういうとこでも、居てると目がピッと動きますよ」

(高松空港は田舎でした…)――「瀬戸内海の、山がポコンポコンとある海のそばにシューッと降りんのかなと思ったら、エライ山奥や…。こんなん福島県言われても分からへんで。どこが讃岐やねんって言うてねえ…」

(缶ジュースは 350ml)――「値段のことは言いませんから、小さい缶つくって欲しい。余らして捨てるのも勿体ないから全部飲もうと思うけど、ちょっと大き過ぎる」

(逆評論家)――「僕はテレビ見てて、ピーコの服装を採点するのが面白いんです。この年のオカマに襟付きのそのシャツは似合わないよ、とかね…」

(昔の画期的な乗り捨てシステム)――「当時のレンタカーは乗り捨てシステム! 高知で借りたら、"どこで乗り捨てますか? " … "高松で乗り捨てます! " って言うたら、そこのニイチャンが先に電車で高松行ってはる…」

(芸人とは)――「昔は、それこそ "常識外れ" 。それが芸人。日常の枠があって、もちろん日常の常識、ストライクゾーンと、全く違う場所で生活してるワケやないから、芸人のストライクゾーンが重なる部分はあるけども、芸人でストライクのことが、一般社会ではアウト。でも芸人でアウトのことが、一般社会ではセーフ。ところが今や一般人のストライクゾーンで芸人も測られるから、そらアウトが出てくる。そらボール、ボール、ボールと言われるやろ」

(唐揚げを美味しく揚げる CM)――「♪唐揚げキレイに揚げるのは〜モミモミ〜…。オレ香田晋の歌アレしか知らんわっ !!」

台湾

鶴瓶「台湾人は分かりますよ。台湾人の団体。
日本人に似た感じで」

上岡「ようそんなこと……あんなあ?
ボク奈良和歌山言うただけでアレ凄かったんや。
よう…台湾 ?!」

鶴瓶「違います !! これは――」

上岡すっごい差別やな !!

鶴瓶「なんで差別やねん !!
日本人顔一緒やねんけど台湾人は分かる言うのが
なにが差別ですか !?」

上岡「日本人と違うのは我々でも分かるよ。
でも、その人が台湾人か香港から来てるか
上海から来てるか何で分かるの?」

鶴瓶「もうそれも、僕は絶対に分かる。
聞かないですけど、この人は台湾!
上海と北京は分かりませんよ?
台湾と中国は分かります。
中華人民共和国と中華民国は分かりますもん!」

上岡「――キミは、そうすると
台湾を中華民国として認めてる立場か

鶴瓶「 (^^) ……いや……」

上岡「ふたつの中国か?」

鶴瓶「………」

上岡「中国はひとつやろ?」

鶴瓶「ふたつやろ」

上岡「えっ、ふたつか?」

鶴瓶「いや、台湾…」

上岡「僕は中国はひとつの立場ですから」

鶴瓶「ふたつ…じゃないですか?
でも、こっちは頑張りましたやん…」

上岡「 (^^) 頑張った…」

鶴瓶サツマイモみたいな形から。
もう活気ありますよ、ここは……」

♪麦茶〜麦茶〜

鶴瓶「とにかくね、伊藤園はいいです。
人の CM のケチつけないでください」

上岡「伊藤園っていうのは、なんか名前の感じから言うても
静岡のイメージからしても、もう古い
清水の次郎長の頃からやってんのかなあと思ったら
意外と新しいメーカーなんですね」

鶴瓶「新しいけども、ちゃんと研究してますからね。
新しいから悪いワケじゃないです」

上岡「でも、烏龍茶が世の中に出回りだしたのは
何年ぐらい前です? ――二十年ぐらいですか?」

鶴瓶「僕らは、ほれ。…まあ僕らというても
歳はちょっと違いますけども
小さいときは烏龍茶なんて飲みませんやんか」

上岡「烏龍茶を世間が買うようになって
日本茶も買うて不思議じゃなくなったんです。
いきなり日本茶売ってたら、だーれも買わへんですよ?
お茶というのは昔は "タダのもの" という
イメージがありましたからね」

鶴瓶でも !! ――それは飲んだらやっぱり美味しい…。
ああ…買うて良かったなあと思うお茶でしょうねえ。
香り薫るむぎ茶」

上岡「はー… (^^) 」

パン

上岡「金比羅さん。金比羅さんのあの階段は昇ったことあんの?」

鶴瓶「ああ、ありますよ。いや、ずーっと上がったことはない。
あの、勘九郎さんが来てたとき一緒にねえ。
遊びましたからねえ。ちょこちょこっと上がりましたけど。
まあ、上まで行ったら大変でしょう」

上岡「大変でしょう。でもボクはいや、
いっぺんも行ったことないんですけど」

鶴瓶「ああ、そうですか?」

上岡「ボクはどこ行っても、あんまり "名所" とかに
興味無いもんですから」

鶴瓶「あっ? 有りそうですけどね?」

上岡「んー、でしょ?」

鶴瓶「なんか、細かいこんなこと(解説板を)
ジーッって読みそうでねえ、なんか
えー "卑弥呼は何をした" とか
そんなん読みそうじゃないですか。
ボク全然興味ないもん」

上岡「……ほー。
 ただ地図見ててね、それこそ
♪金比羅 船々 追い手に 帆かけて シュラシュシュシュ
♪回れば 四国は 讃州 那珂の郡
 象頭山 金比羅大権現……
"おお、象頭山っちゅーのココにあるで! " って」

鶴瓶「なっ、何でんの? ゾウズ山?」

上岡「なんか、象の頭みたいな山がね。
♪一度まわって 金比羅 船々……って
"この歌どこで終わんねん" 言うてねえ」

鶴瓶「はあ」

上岡「三味線最初アレから習うんですよね」

鶴瓶「でも、陽気な歌ですよね」

上岡「まあまあ明るいねえ」

鶴瓶「いいですよねえ」

上岡「でも、 "コンピラ" っていう響きが
あんまし日本語的やないですねえ」

鶴瓶「コンピラ……」

上岡「なんかポルトガル語みたいですねえ?
テンプラとかね、ブランコとかね、パンとかね。
えー、ベランダとか。
なんかポルトガル語系統でしょ? コンピラ」

鶴瓶ポルトガル言うたらそんだけ出るの?
厭味な話やなぁー。ええ?
あ、パンもそうですか? ポルトガル」

上岡「はい」

鶴瓶「ほぉー」

上岡「明治になって、アメリカ文明、西洋文明が
ドッと入ってきたときに当然
"ブレッド" も入ってきたワケですよね」

鶴瓶「ブレッド! ……パンです」

上岡「でも負けなかったんですね、 "パン" は。
ブレッドを駆逐したんですよ。
でもアレがブレッドになってたら……。
アンブレッド。カレーブレッド。
メロンブレッド言うてんやね、今。
でもアレ、パンやから
アンパン !! メロンパン !! カレーパン !!

鶴瓶やかましわ !!
何でそないパンパン言うねん !! (^^)
いや、でもそうですよ、やっぱり。
小倉パン。小倉ブレッドでは合わない。
小倉パン。いいやない……パンていいな。何パン好き?」

上岡「ンー、強いて言えばね」

鶴瓶「強いて言うて」

上岡「ボクはまあ、パンていうのは
ボクらの世代では代用食」

鶴瓶「うん」

上岡「つまり、米の食べられへん人が
食べるもんでしたからね。
ま、半ばおやつ。あるいはその……代用食。
そういうイメージがありましたから……」

鶴瓶何パン好きやて聞いてんねや !!
何でもよろしいやろソレ !?
何パン好っきやねんな !!
そんでええねやがな !!」

上岡「ま、極端に言えばパンは……」

鶴瓶(龍太郎のマネをしながら)
「 "ボクらの世代でパンは……
 米の食べられへん人が喰うモンでしたから……" 」

上岡「理由を言うとかな誤解を招くと
イカンから言うといた上で……
パンは嫌いです

鶴瓶「 (^^) ……ホンマ、パン嫌いなん?」

上岡「んん」

鶴瓶「ほぉー」

ビックリする出来事

上岡「高松がだいぶ近くなってきたときに
フックさんが運転してて
僕と弟子は後ろに乗ってた。ノックさん助手席。
ほんならノックさんが横で "前の車、追い越せ! "
"大丈夫かなあ? ここ追い越し禁止やけど…"
"こんな山の中、ドーンといけ、ドーンと! "
 追い越したら、後ろからウ〜ゥ!
 ――すぐ後ろにパトカーいててん

鶴瓶「 (^^) 」

上岡「で、フックさん降ろされて。
僕ら三人グーッ…って寝たふりして。
切符きられて、そのレインボーというキャバレーに
着いたんです。
"エライ目に遭いましたんや、そこで捕まりました…"
"ちょうどヨロシイわ。今、このキャバレーに
 こっちの県警の本部長がおられる! …ちょっとご挨拶して"
"あっ、ぜひ御挨拶を! よろしくお願いします! "
 ――これで大丈夫や。県警の本部長に挨拶したんや」

鶴瓶「そんなぐらいは揉み消してくれはる…。
…まあ殺人はアカンけどね。追い越しぐらいはね」

上岡「で、大阪帰って一ヶ月ぐらい経ちました。
――フックさんところに、呼び出し状!

鶴瓶「うははははは !!」

上岡「なんやねんこれは、県警の本部長どうなってん、と。
――で、それからまた何ヶ月かして
レインボーへまた行った。そこの支配人に
"前たのんだアレ…" ――
"あっ !! エライことありましたんや!
 あのとき頼んだ本部長!
 あの帰りに、交通事故で死にましてん…"

鶴瓶「 (°°) そお…! 」

上岡「死ぬ間際に "頼む…! " って言うてくれりゃあええけど
それは言わんわなあ。…そこまでは言わんわ」

鶴瓶「見てみなはれ、喋ったらそんなオモロイこと
おまんねや !! いつも喋らんクセにっ !!」

上岡「ここへ来て思いだしたんや… (^^) 」

童話

鶴瓶「こないだねえ。
アンパンマンの人と会いましたんや。アンパンマン」

上岡「 "アンパンマンの人" ってどういうこと?」

鶴瓶「やなせたかしさん」

上岡「おお! やなせたかしさん!
マンガ家やなせたかし!」

鶴瓶「そうですわ。あの人アンパンマン
描かはりましたんやな」

上岡「まあねえ」

鶴瓶「で――
"アンパンマンって何で作ったんでっか? "
って言うたら、他は正義の味方で
なんでも悪いヤツをやっつける――と」

上岡「はいはい」

鶴瓶「アンパンマンは違うんです」

上岡「ほぉう?」

鶴瓶「お腹減った人に食べてもらうんですよ。
アンパンマンは」

上岡「自分が (^^) 」

鶴瓶「 (^^) 」

上岡「凄いなあ」

鶴瓶「自分を犠牲にしてるワケですから
アンパンマンは」

上岡「あー、それはキレイやな」

鶴瓶「そうでしょ。その人が童話書かはるて。
童話って知ってまっか? どんなんか」

上岡「えー、つまり、イソップであるとか?」

鶴瓶「俺もう童話で涙したわ」

上岡「うちの母親が何故かボクにはねえ
しきりと本を読ましたんですが
その読ました本がほとんどが伝記小説」

鶴瓶「なるほど」

上岡「例えば、そのエジソンやとか、ワシントンやとかね。
中江兆民であるとかですね、野口英世であるとか。
んー、そういう伝記モンばっかりやったん。
でも、読んでるうち飽きてくる。
何故かというと、この苦労したり、不幸やったり
貧乏やった人達は、必ず最後のオチは成功してる」

鶴瓶「いいじゃないですか」

上岡「大統領になったり、博士になったり。
でも読む前から分かる。
(パラパラとページをめくりながら)
"あ、また成功しよるでコイツ。
 絶対成功しよる、ホーラホラホラ! なぁ? "
――オチが全部わかる。それではアカンやろ、と」

鶴瓶「ちょっと待ってください。
何が "オチ" やの? オチやあれへん!
オチ違う、成功や !!
そんなん "オチ" 違いまんがな」

上岡「そんなんばっかり集めてきても
我々が感動すると思ってるのか?」

鶴瓶「いやいや、成功してねんから感動……
そんな苦労した人が……!」

上岡「これは努力が偉いの違ごて
成功が偉いの? ねえ。
成功したから偉い、と言われるんですか?」

鶴瓶「努力したから成功したんやがな !!」

上岡「それではどっちが偉いの?
努力せんと成功した人と、
努力したけどアカンかった人とでは
どっちが偉いの?」

鶴瓶「………」

上岡「もんの凄い貧乏で、苦労して努力して努力して
一生懸命やったけど、全然ダメだった人と……
もう、カネ持ちの家に生まれて
遊ぶようにして、カネいっぱいあって、女にモテて
でー、おカネをポーンとやったら
その商売がファーンと当たって。
でー、苦労せずにファーンと大きなって。
たまたまそこ掘ったら油田が出てきて。
ファーンとカネ儲けて……」

鶴瓶「アホのオッサンや、そんなもん!」

上岡「ボクはね、努力こそ偉いと
子供に教えないかんと思ったんですよ。
"成功が偉いんではない。努力が偉いんだ。
 頑張ることが偉いんだ。
 貧乏に負けない心が偉いんだ" と。
それならば――
"頑張りました。この人は頑張りました。
 努力しました。でもダメでした" という本が
 一冊くらいないかい! と。一冊も無い」

鶴瓶「あのなあ……。誰が買うねん。
"よう働いて死んだー !!
 うわー !! 焼けただれて死んだ !! "
"焼けただれてんで、コレぇ……"
 ……誰が感動しまんの」

上岡「でも、努力には感動せな」

鶴瓶「焼けただれてんのに? 最期は」

上岡「貧乏で貧乏でね。腹減らして……」

鶴瓶「えー、そのねえ。童話が凄いんですよ。
【優しいライオン】 。知ってまっか?
タイトルがええやん」

上岡「 "ある日ライオンが野原を散歩していました。
その日ライオンはとてもお腹が減ってました。
ふと目の前を、美味しそうなウサギが一匹走りました。
ライオンは思わずウサギに飛び掛かりました!
ウサギは一生懸命逃げました!
ライオンは、ウサギを捕まえました。
ウサギは、一生懸命 "助けてくれ" と祈りました。
優しいライオンは、頭からガブッといき……
(観客の大歓声)
……いや、 "いき掛けたのに" 。な?
"本当なら頭からガブッといくところを
そのライオンは優しかったんで
ケツから食べてやりました" 」

鶴瓶「ちょっと待ってや!」

上岡「 【優しいライオン】 」

鶴瓶「アホか! 頭オカシイやろソレ !!
ライオンはね、あのー……アレですわ。
犬に育てられたんや

上岡「情けないライオンやなー! (^^)
…何で犬に育てられたん !?」

鶴瓶「いや、違うんかなぁー……。
犬みたいなんに育てられたんや。犬に。
ライオンが小さいとき、犬に。たまたま」

上岡「ほぉう」

鶴瓶「そんでもう、ライオンは犬に育てられたんや。
で、大きなってん。どんどん。
体はライオンや。顔もライオンやんか。
"こんなん置いとかれへん" いうんで、動物園に……」

上岡犬が持っていった?

鶴瓶「 (^^) ……何で人の話茶化しまんの ?!」

上岡「いや、茶化してへんよ。詳しく聞いてんねや」

鶴瓶「どういう経緯か…… 知らんけども…… (^^)
"動物園行こう" と。…… "行こう" って ?! (^^)
ライオンが自ら。ほんで、あるとき、ま、大きなって、
あのー…… お母さんの鳴き声を聞いたんや。
"ワウワウーッ! " って」

上岡「犬のね。育ててくれた。
本当のお母さんではないけど、犬が……」

鶴瓶「 "あー! お母さんに何かがあったんだー! " っと
思って、ライオンは檻をバッと破って……」

上岡「うわー」

鶴瓶「 (^^) ……」

上岡「ほうほうほう !! 飛んで帰んねや !!」

鶴瓶「ガーッ帰ってるところを
体はライオンやから。バーン撃ち殺されたんや」

上岡「あっらー……」

鶴瓶「可哀相やがな。
………。
…… 【優しいライオン】 (^^)
これは俺がハッキリ説明してないんであきませんわ。
【そっくりな栗の樹】"!」

上岡「 【そっくりな栗の樹】! これは面白そやね!」

鶴瓶「 (^^) ……もういらんこと言いなはれ。
【そっくりな栗の樹】 。
栗の樹と。えー、子狐が
物凄い仲良かったんやて」

(観客の笑い声)

上岡「えっ? 栗の樹と、子狐が……。
あ、いやいや、童話というのは
それくらいね、木とか、動物を
擬人化することによって……」

鶴瓶「そら……そう!
何がオカシイねん !! 童話やないかい !!
さっきケツからガブッとはどないしたんや !!
鬼みたいな客やな、今日 !!」

上岡「 "子狐と栗の樹仲良しだった" ――
――あ、これは面白そうや」

鶴瓶「あるとき、あ……」

上岡「嵐の日?」

鶴瓶「もう……栗の樹がもう……
メチャメチャなってもうた、と。
栗の樹が潰れてどっか行ってもうたんや、バーッと」

上岡「ええっ ?! そんなら、子狐ももう生きてられへんわ。
栗の樹がどっか行ってまうくらいの嵐いうたら……。
子狐はどこにおったん?」

鶴瓶「子狐は…… (^^) 穴に隠れてたんやろね。
そんで子狐は……」

上岡「 "出てきたら、仲良しの栗の樹がない! " 」

鶴瓶「そう!」

上岡「エライこっちゃー」

鶴瓶「そんでもう、子狐はもう探すねんけど、ないと。ないねや。
そんでもう、子狐がだんだん大きなんねん。
もう親狐んなるワケや。
んで、もう……そっくりな栗……
――あっ、ちゃう!」

(鶴瓶、自分の顔面をはたきだす)

上岡「何? どしたん、どしたん?」

鶴瓶「情けないわ !! 先言うてもうた !!

上岡「 (^^) …親狐になった子狐が――」

鶴瓶「なったら、麓に下りていくと……コレやで?
麓に下りていくと、そっくりな栗の樹が
もんの凄い仰山あったんや」

上岡「親狐になった子狐が」

鶴瓶「なったら、麓に下りていくと……コレやで?
麓に下りていくと、そっくりな栗の樹が
もんの凄い仰山あったんや!
うわー…って。
……もうわかるでしょ?」

上岡「いいやワカラン」

鶴瓶「なんでやねん! (^^) 」

上岡「むかし仲良しだった栗の樹と
そっくりな栗の樹がいっぱいあった!
あのとき嵐で……」

鶴瓶「実ィ飛んだんや!
実ィ、バーッ! バーッ! 飛んで。
麓へ、バーッ、落ちていって、実ィ着いて、バーッと
栗の樹がブワーッ育ってたんや」

上岡「ほぉー……」

鶴瓶「いや、 "ほぉー" って… (^^)
だから! その飛んだトコには無いねんけど
実ィだけが落ちて、育ったんや。
………。
…… 【そっくりな栗の樹】 。」

上岡「………。
……でも、栗の樹てほとんどそっくりでしょ?

鶴瓶「 【リンの羊】 。
コレはええ話や。泣きまっせ」

上岡「 【リンの羊】 !!
……ちょっと皆さんも想像しましょう。
【リンの羊】 です!」

鶴瓶「いらんこと言いなはんなよ……。
"羊の群れが、ありました。
 羊の町が、ありました。
 えー、一匹の羊に、すず……リン" 」

上岡「あ、鈴が付けられてたん。リーダーにね」

鶴瓶「狼が……。来て……」

上岡「あ、なんかイソップか何かに
ありそうな感じですね」

鶴瓶「「狼が来て……。
みんなグワーッ喰いよんねん。
(ざわめく観客)
やかましいわ !!
――喰います。喰います」

上岡「狼に殺される羊がおるワケや」

鶴瓶「喰ってしまいます…」

上岡「うんうん」

鶴瓶「そしてこの………ヤギが。
あ、違う違う !! (^^)
この羊が、ずーっと行って
狼のところに "弟子入りさせてくれ" と」

上岡「弟子?」

鶴瓶「 "えー、何でや、親もみんな喰うてんのに!
何でお前は弟子入りすんねん" 」

上岡「うん」

鶴瓶「 "いや、私はもうこの羊みたいな
こんな弱い生活はイヤです" ――と」

上岡「 "アナタのように強い生活がしたい"!」

鶴瓶「 "アナタのように強い生活をさせてくれ" と。
"よっしゃあ、そない言うねやったら" いうんで
もう全部仕込まれるワケや。ほんだら羊に!
グゥーッと! ツノが生えてくるワケや。グゥーッて」

上岡「……何で?」

鶴瓶「凶暴んなったんや。凶暴んなったんやね (^^) 」

上岡「いやいや、狼にツノあるかい?」

鶴瓶「無いけど…… (^^) 羊にツノありますわな。
そのツノが、優しいツノじゃなく、もうギューッて!」

上岡「ああ、凶暴なサイみたいな」

鶴瓶「サイみたいなツノにグゥーッ生えてくんねん。
で、 "リンの羊" ね。グゥーッなって」

上岡「うんうん」

鶴瓶「で、あるとき羊が "私はもう強くなった" と。
"私の村を襲いたい" と。 "もう、昔の町をね。私の" 」

上岡「ほうほう」

鶴瓶「 "――ええっ ?!
お前、そんなトコ行ってええんかい! " と。
"……いやええねん" と。
"ほんならお前はそこの犬をまず押さえと。
 犬が来たらお前がやれ" と。
"私はその間に羊を襲うから" 。ね?」

上岡「ああ、ナルホド。羊を守ってる犬がおりますからね。
"それをお前がまずやれ" ――と」

鶴瓶「 "お前がグーッとおびき寄せろ" と。
"で、俺が羊をいくから" と。
"行くぞーっ! " って言うて
 もうバーッと羊は、犬をこうしよるワケや」

上岡「で、今度は狼がその……」

鶴瓶「羊の群れの中に入って行く……。
で、行って、噛ぶろうとした時に……!
この、リンの羊が、狼の喉をブスゥーッ !!
"ウゥーッ…… 何でや !!
 ……ああ、お前かー……! "
"私がこんなに強くなったのは
 アンタのお陰ですけど、この時を待ってました" と」

上岡「ほお!」

鶴瓶「そんなら狼は
"お前に殺されんねやったら本望やー……" って。
………どうです?」

上岡「えー……これは
"狼が偉い" っていう話?
んー…… そやないの?」

鶴瓶「……もう、忘れてくれもう!
そんならもうええわ! 違う人に話するわ!」

THEME SONG :

BEGINNING DIALOG :

ENDING LETTER :

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