No.128 は、大阪城ホールパペポの終了直後のパペポ。大盛り上がりの公演に感動した二人が、大阪という街を分析しつつ、大いに讃える一回。普段のパペポについても話題は巡り、「オチを知らない龍太郎の苦労」や、田岡由岐さんのお話、今回 15 メートルを吊られた心境を語る。ほか、歴史上の人物しりとりや、青い鳥を探すレゲエさんといった傑作トークを振り返り、お互いを話術の高さを深く認識した。ラストは、「ほなまたいっぺんに見る大阪文化」について。
(大阪城ホールを終えて)――「俺のほうがうろたえてね、"どっからいこうかな? どれを出そうかな" って思ったけど、やっぱり五十年芸人やってる人はちゃう。ホンマにそう思もたもん。"はー、全然度胸座ってんなあ…"って」
(有名な組長さんの娘さん)――「周りの連中は由伎ちゃんに、ゼッタイ手ェつけませんからね。手ェつけるということは死ぬことですからね。もう、小指では収まらんですからねえ」
(そんな人にキスしたら…)――「そんなことしたら瞬間に、口切られますわねえ。これかあ言うて、口の周りに点線入れられますわ。恐いニイチャンにここやなあ言われて、点線のイレズミ入れられて、口無くなってねえ。いつも笑ろた状態になりますわ」
(菱タブー)――「もう、そのー、最期の状態になった時に、"アソコを、菱形やったりして" って言うたんですよ。…切ってくれー !! これーっ !!」 , 「これをお父さんに言うたらウケてたって。あのなあ! 言うなーっ !!」
(そういうコワイ人たち)――「顔なんかね、作り物じゃないですよ。ホンマモンですよ。"何があったんかな? " って思うぐらいね、首ひねったある人も居てますしね。何かで叩かれはったんでしょうなあ。バーンってきたときに、そのままねじり加えて…切ってくれよーっ !!」
(大阪弁のはんなり)――「知り合いの飲み屋のオッサンとか、ゲイバーのママにも、"ほなまた行くわ" って言うたら、"またと幽霊は見たことないで"って言いよんねんね」
(鶴瓶ちゃんのツッコミ "あのねえ" の由来)――「仁鶴にいさんがよく、"あのねえ! " とか言うてはったんですよ。これが、僕ら割りと流行りだしたんです。"あのねえ! あのねのねえ! " とか言い出して、あのねのねにしたんです。だからあれ、仁鶴兄さんが根元ですわ」
(関東芸人のコンビ名)――「向こうのコントの人って、カッコいい名前ですやん。ピンクの電話とかねえ。こっちは、それゆけ二匹とか、それとか、ピンナップ・ゾウとリス。…そんなん…」
(江戸の世も大阪弁で)――「俺、もんのすごい勘違いしてました…。江戸時代やったら、みんな江戸弁や思もてた…!」
(パペポは大阪だからこそ)――「こんなキツイもんやってるんですよ…。こんなもん東京では、ホンマにこんな喋りだけの番組なんて、生まれないですよ !!」
(改めて大阪城ホールの感想を)――「 "喋り" って、一万人の前でも、こういう愛情を持った人たちの前ではできるんやなと。これはもう、ホンマに芸人冥利に尽きますね」
(漫才とはツッコミである)――「漫才の面白みというのはねえ、実は、ボケが面白いとみんな思もてはんねん。まあ面白いのよ。ボケはアホなこと言うにゃけども、ツッコミもアホなこと言うてんねん。せやから面白いねん。単純な話で言うたら、昔エンタツ・アチャコさんっちゅのがおって、一応スタートはエンタツ先生がボケやったんや。ところが後半はアチャコさんがボケになったんやけど。で、エンタツ先生がツッコむねんけどね。奇をてらった言葉なんて何にもない。例えば、エンタツ先生が、"キミとこ昨日行ったけどおらなんだなあ"… "ああ、来てくれて悪かったな、昨日ちょっと出かけてましてね" … "どこへ? " … "動物園に"… "何しに? " … "ええ、虎買いに" … "んなアホな! " …と。ところが世間は、"虎買いに"と言うたアチャコさんを見て、"んなアホな" 言うて笑うにゃけど、実はこれ、エンタツ先生がね、"動物園に"って相手が言うてんのに "何しに? " っちゅうヤツがアホやねん。ツッコミもアホやねん。このパターンこそ笑いや」 , 「漫才のボケっちゅうのは、そないアホやないねん。言うたら。ただ、"何しに? " と聞かれて、気が付かんほどのアホやねんね。自分から"動物園へ虎買いに行きました" というほどのアホやない。このへんが微妙なとこや」 , 「せやから、ツッコミがホンマは、漫才というのは勉強せなイカンわけやね」
(大阪弁が面白い理由)――「大阪弁の特性みたいのがあってね。東京はやっぱり言葉の数が少ないし。大阪弁のニュアンスというのが、ものすごい我々助かってるな。大阪弁っちゅうのは曖昧やがな」
(ほなまたいっぺん)――「 "大阪の人って、ほなまたいっぺんが好きですなあ" って。東京は言わんみたいや。そういうたら大阪人は別れしな、ほなまたいっぺん!」
(便利な言葉、なんでやねん)――「大阪弁の一番すごいとこは、これ香川登志緒さんが言わはったことやけども、東京弁に無い言葉がある。漫才するときに、"何でやねん"という言葉が東京には無いと。これで漫才の、ひとつギャグが無くなるわけ、東京は」
(大阪の笑いが面白い理由)――「大阪城なんてアレ、城主がいてるわけちゃうにゃから。江戸城なんかと違ごて。幕府から来たサムライが管理してるぐらいで、誰が大阪を俺が治めてるんだっちゅうようなん居らなんだ。大阪は商売人で治めてた。せやから未だにその流れがある」 , 「それが未だに選挙に出てるがな。"キー坊キー坊、ノックさんノックさん" って、もうそれでええねん。そんなことは我々商売で忙しいにゃから。そんなことはあの人らにやらしいといたらええがな、ざまあみやがれっちゅう、そういう気持ちや。東京はもっとマジやからね」 , 「昔は京が都やったのに、今はもう江戸へ行ってもうた。アイツらみんなで笑ろたりましょという、反体制の笑いが生まれてくるわね」
(大阪城ホールを終えて)――「ただね、どんなことがあったからちゅうて、それはもちろん経験であり自分のすごい財産やけども、もう、今からは、済んだこっちゃからね。…これにこだわってる芸人が多いねん。昔どうでしたとか、こんな芸人イカン。若い芸人というのは、明日を見てる芸人ですよ。そのことにいつまでも拘泥してるヤツはね、それは古いといわれる。今でもテレビの画面見たら、古いなあと思うヤツようけおるやろ。頭悪いねんねアレは」
上岡「ところがね、テレビというのは悪いねん。
この番組やめるとするやろ?
"上岡さん、ちょっと誰かとね、あのパペポみたいなん" とか
"鶴瓶さん、今度、いわばパペポ形式で" っちゅうような
話くんねん」
鶴瓶「僕はゼッタイやりませんよ、他がきても」
上岡「僕はナンボでもやりますよ?」
鶴瓶「…… (^^) 」
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