聘珍楼横濱本店の前編は、お店の名前と中華街ということで、ヘラヘラ笑いながらのスタート。鶴瓶ちゃんを褒めつつ「あいつは北朝鮮の女と関係がある」と書いた、談志師匠の迷惑な寄稿について語り、ほか「恒例のお笑いコンペにて〜さんまの執拗な攻撃」、「電車に間に合わない… !!」、「好きな中華料理」について。後編は、十人からの大所帯となった鶴瓶の弟子列伝を、それぞれのエピソードで綴りつつ始まる。続いて、龍太郎師匠への弟子入り志願「ダンサーになりたいんです !!」、「ちゃんこの店を探したら…騙された!」、「お姉ちゃんとオバチャンの境目」、「VAN ジャケットの石津さんにお会いしました〜 "他人のやらないことをやれ" 」と、老いて妙なる氏の発想力を讃える。ラストは「うつぶせ用の枕が欲しい」との鶴瓶ちゃんの切なる願い。
(今日は中華街パペポ)――「タクシーの運転手さんも言うてはったんですよ。… "満珍楼いうのはお兄さんか何かがやってて、聘珍楼は弟さんがやってはる。満珍楼は男女でしか行けない。ヘヘヘヘヘ〜"って言うてはった。これから人笑わしに行こうか思ってるのに、萎えるようなこと言うたある。そんなエロトーク聞いてどうすんねん」
(週刊現代にこんなこと載せられた !!)――「談志師匠に何を書かれてもいいんですよ、腹も立ちませんが、最後の一節だけ。…… "あいつは北朝鮮の女を騙し、( 放送禁止)に潜り込もうとした"って言い切って書いてあんねん !! …北朝鮮の方とお会いしたこともないし、そんなこと週刊誌にホントに書いてあるんですよ !?」
(お笑いコンペの罰金制度)――「キャディさんを "運転手さん" と言い間違うて一万円。……もうカネあれへんやん !!」 , 「風呂入るでしょ。ほんならパッと俺のチンチン見たんですよ、誰が見たんか知らんけど、"カスが溜まってた" 言うんですね。それで一万円ですよ ?! ほっといてえな、これから入るやっちゃ! せんど汗かいて、廻って溜まっててもいいでしょう! そういう形なんです僕のは !!」
(海外の中華料理は苦手です)――「日本の中華街の中華料理は好きです。香港行ったときの中華料理は、なんかチョットね…。これは怒られます。中華料理は好きですが、香港は違う、アカン草いれてんねん。この草アカンでーいうやつ。なに食わしよるか分かれへんやんあんなん…」
(松鶴師匠の指導方針)――「……野放しにして辞めていったヤツ仰山いてまっせー? ふふふ。だから、それだけ辞めていくように持っていったんでしょうなあ」
(弟子・達瓶)――「留守番電話に入れてるんです。喋りでっせ? … "明日あの、七時十五分で、あのー、えー…七時十五分。いや、あっ、ちゃう、えー、七時、えー…プー"もう終わってます。…何を言いたいねんっ !!」
(弟子・恭瓶)――「帰ったら先に寝とったんです。嫁はんが居れへんときに、それも十二時半頃ですよ。ガーッとイビキかいて寝とんねん。アタマきてバーッと蹴ったら "お前なあ…先寝とくアホンダラアッ!! " … "すいませーん !! " …もうええわ。俺のパジャマ着とんねん。何で俺のパジャマ着て先寝とんねん。夜とぎかえ」
(弟子・瓶吾)――「NEC 辞めて来よったんですよ。おとなしいヤツです。ほとんど喋らないです。あんまり口聞いたことない。…恥ずかしがり屋で物言わずです」
(弟子・瓶生)――「二十九歳。秘密兵器。…ずっと秘密です」
(長生きの秘訣)――「六十ぐらいの時は、あと十年頑張ろう。七十なった人は、健康状態にもよるけども、あと十年頑張ろうと。八十なった人は、あと五年頑張ろうと。…いつ死ぬねん、と」
(初めての歌)――「僕が物心ついて初めて歌というものを口ずさんだのが、平野愛子の 『港が見える丘』 ですよ。♪あなた二人で来た丘、港の見える丘〜。…四歳ぐらいでね」
(お笑いコンペは二、三ヶ月ごと)――「それこそ呉越同舟みたいにして、それぞれがやってるっちゅうのはあんまり聞きませんし、役者さんばっかりがそうやってるっちゅうのもあんまり聞きませんし。お笑いはそういう意味では、ネットワークを大切にするのかね」
(お笑いコンペに板東英二は来てもいいのか?)――「本当は板東英二があの会に来たらイカンのです。アレは他の集まり、別の組があるでしょう。…ガッツ石松やとかねえ、森末信二とかねえ、つまりスポーツ崩れのお笑い。そっちの集まりに出るべきや」
(笑いとは)――「笑いは愛ですからね。愛のないところに笑いは生まれませんからね」
(弟子入り志願)――「僕らトコにでも変なの来ますよ。"弟子にしてください !! " … "もう、土下座なんかせんと、なにがやりたいの ? " … "ダンサーになりたいんです! " ………。"僕知ってる? " … "知ってます! " ……なんで僕の弟子になってダンスがわかるの!」
(分かれ目)――「ナイトスクープで、女の人ずらーっと 18 ぐらいから 40 ぐらいまで 1 歳おきに並べといて、子供に端から "どこでオバチャンになるか"っちゅうのやらしたら、大体一緒やね。… "おねえちゃん→おねえちゃん→おねえちゃん→おばちゃん! " …ピシーッと分かれるね」
(気にしません)――「六十近くになってくると、もう歳なんかどうでもよくなる。歳なんて、気にしてるほうがオカシイ」
(不思議な歌詞)――「水前寺清子に言うよりも、星野哲郎に本当は言うたほうがええにゃろけども、あれは何でした。♪若いときゃ二度ない〜どんとやれよ〜男なら〜人のやれないことをやれ〜。…あれは間違いです。"人のやれないこと"は誰もやれません。"人がやれん" にゃからね?」
上岡「さんまが、"パペポは? " って言うから
"もうアレは、鶴瓶ちゃんツッコめるの
さんまちゃんキミしかおらんやろ? " ――」
鶴瓶「アイツが来んの ?! パペポ ?!
そしたらもう腕章はめて反対しますわ。イヤイヤっ !!」
上岡「 "やりますわやりますわ" 言うてたよ?」
鶴瓶「俺はもうノイローゼなりますわっ !!」
鶴瓶「その下が瓶二ですわ。
いただきます言うたときに返事してくれるんですよ。
"いただきます" … "はい" 」
上岡「ふふふふふ……」
鶴瓶「なにか間違うてるよー…
"いただきます" … "はい" 」
上岡「 (^^) なんでお前が返事してんねん、と」
鶴瓶「それも微妙なんですよ。
目ェみて… "はい"
せやけども "それはオカシイ !! " とは言えないでしょ」
上岡「でもよく考えたら
お前にいただいてるわけやないし……」
鶴瓶「 "いただきます" って言うたら
横に座ってる子供にも "はい"
……全部に応対するんですよ」
上岡「自分では "いただきます" 言わないの?」
鶴瓶「自分では "いただきまーす !! " って言うて
食べてるんですけども
誰かが言うと… "はい" ……」
上岡「 (^^) 」
鶴瓶「そんで、いっぺんそれ暴いたろうと思って。
朝起きて、"いただきます。" って言うたら
"はい。" って言いよった。
――オノレに返事される筋合いあるかあ !!
俺が儲けたカネで食うとる御飯じゃあ !!」
上岡「 (^^) …お前に驕ってもうてにゃないわなあ…」
鶴瓶「そうやがなっ !! ――俺が "はい" 言うねん……」
鶴瓶「石津謙介さん。八十八歳でっせ。
日本のファッション界をリードした人ですわ。
もの凄いカッコエエ」
上岡「我々漫画トリオはあの VAN ジャケットで
デビューしたんです」
鶴瓶「カッコイイですよ、今でもビシーッとして
きてはるワケですよ。
で、その人は、人と違うことを今でもしたいと思ってる」
上岡「ほおー…」
鶴瓶「だから、友達の葬式を、76 歳でっせ、友達。
もう死ぬやろという人のところへ訪ねていったんですって。
"お前の葬式、俺にプロデュースさしてくれ" と」
上岡「 (^^) おお…」
鶴瓶「気ィ悪いやろ。
でも言えるんですって、そこまでいくと」
上岡「ああそう!」
鶴瓶「ほんで "お前の葬式はお前に任す" 言うて
奥さんも呼んで "いしづさんに任す" 言うて
二日で死んだんですって」
上岡「はぁー…えらいもんやなあ…」
鶴瓶「で、僕は言うたんや。
"そんなギリギリの人のとこよう言いにいきまんなあ? "
でも言いに行かはんねんもん」
上岡「ほお…」
上岡「糟糠を舐むるなかれ。
長岡半太郎が好んで色紙に書いたそうです」
鶴瓶「 "そうこうをなむるなかれ" ですよね」
上岡「はい」
鶴瓶「……これはもう、ホンマええ言葉や。
知らない方には、僕はもう長い付き合いなんで
わかりますけども。
いっぺん、紙があったらシュシューッと
書いてみたいぐらいです」
上岡「ねえ…!」
鶴瓶「そうこうをなむるなかれ。
――違いまっせ? ナムルと」
上岡「モヤシとはね」
鶴瓶「アホな子はそない思ってるで。
ナムルとな? …アホやん」
上岡「糟糠というのはヌカミソです。
"糟糠の妻" というぐらいですから」
鶴瓶「いやいや、違います。ちゃうちゃう…」
上岡「 (^^) …違うやなしに…」
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