No.334 は、学祭のシーズンを終えて、その旅路での出来事を語る。「ギリギリの電車発車・あきらめないで!」、「駅で写真を撮った直後、タクシーに乗ったら」、「チヒロちゃんにサインの一言」など。「青山円形劇場は一体どこが円形なのか」、「渡辺真理子のインタビュー・相手をジーッと見るのはなぜ」、龍太郎師匠の歴代の「やりにくいアシスタント」と続き、「デザイナーにはブサイクが多い」、「上岡のコンプレックスはアゴ」、ラストは「密葬のススメ・死んだら秘密にしてほしい」。
(抱いてあげて!)――「千尋ちゃんのお母さんが "何にも恐ない恐ない! " って当たり前じゃあ! 俺に抱かしといて! "恐いことはしはれへん! " …何言うとんねん! ほんで抱き戻して "恐かったなあ" って…殴ったろか!」
(色紙になにか一言)――「昔はちょっとクサイ事も書いてたんですよ。"しあわせは自分の心が決める・当たり前じゃあ" ちゅうやつ」
(また魏志倭人伝かよ!)――「立ってうたた寝していい?」
(明るいニュースの後の "桃屋からのお知らせ")――「なんかあの、太郎次郎の話題のときは "桃屋からの〜! " って、桃屋が太郎次郎うごかしてるようなカンジや!」
(アゴの長さ)――「俺の友達で、名前は出しませんけど、冬なったら伸びるやつ居まっせ? いやいやホンマやねんて。ここになんかデンボみたいなのできるんですよ」
(上岡家は姉が強かった)――「もう全部わかったわ…。姉から思いっきりやられたことが、いま世間への反発ですか? 姉連れてこい、いっぺん姉」
(龍太郎師匠は自分の眼が嫌い)――「眼なあ。んん、イヤやろう」
(思えば遠くきたもんだ)――「四十一年ですからね、生きてきたのが。カメムシやったら死んでますからねえ」
(自分の死を秘密にして欲しい龍太郎師匠が、もし車にはねられたら)――「 "あっ、上岡龍太郎が死んでるなあ。しかしアイツは死んだの黙っとけ言うてたから、言わんとこう。…鼻だけ蹴ったろう" とか。なりますよ」
(姫路のヒノモト学園。日の本? 火の元?)――「マッチ一本火事の元のヒノモトやないよね。焚き火おしえてるっちゅうなねえ」
(色紙になにか一言)――「僕は "日々此遺言" とかね。いつ死ぬかワカランから、毎日言うてることがつまり遺言やと。言うてることに重みが増すやないですか」
(サインをあげた赤ちゃんが、成人する日には…)――「少なくとも十五、六年は経つ。まあ二十年ぐらい経つでしょう。…大丈夫。キミ居てへん」
(技術の進歩も考え物です)――「やたらテレビのカメラが望遠レンズになったもんで、歌手映すと物凄いアップにするでしょう。あれは考えもんやなあ。口の中までアップで映しやがるっちゅうのは」
(鈴木史朗はアナウンサー顔か?)――「アレは大衆演劇の座長みたい」
(忍耐力)――「僕は物凄い我慢しいですから。キレてるいうことは、そこまでにこんだけ我慢して、こんだけ我慢して、常人ではできんほど耐え難きを耐えて、しのび難きをしのんだ末にでけへんからキレてるんでね」
(劣等感は人生の糧)――「コンプレックスこそ、いろんなモンへのジャンピングボードというか、それが人間を大きくするんですよ。コンプレックスをなくすような教育したらイカンのですよ」
(火葬と土葬を比較)――「キミほんなら死んだら土葬にしたるわ。ほいでな、みんなお参りできるように首から上出しといたる」
上岡「何でも言うてきてもうて
何にもイヤなことないにゃけど、もうその子だけは
どないもこないもならなんだんや」
鶴瓶「ほおー」
上岡「何でや言うたらね、全部に引っ掛かってくるんですよ。
いや、引っ掛かるのは別にいいんですよ。
引っ掛かられると、そこから話が転んでいきますから。
ところがね。前提まで引っ掛かるんですよ」
鶴瓶「ほおほお」
上岡「たとえば――
"いやあ、昔から可愛い子には旅をさせろってな
こと言いますがね" って言うたら――
"なんでですか? " 」
鶴瓶「ふふふ……」
上岡「 "いやいや、何でですかって
言われてしまうと困りますが、俗に、そう言うでしょう? "
―― "言いますか? "
いや、だからね? 」
鶴瓶「 "俗に言うこと" まで "言いますか" って?」
上岡「うん。そこまで絡まれたらこっちは話が進まんやん。
そこはハイハイ言うて。――で、例えば
僕が何かについて "だからこうですよ" 言うたら
"いやそんなことはないですよ、それは極端でしょ" とか
これはナンボ言われてもええけど。僕の意見にはね。
でも、 "井の中の蛙大海を知らずと言いますが" ――
"へーえ、ホントですかあ? " 」
鶴瓶「うはははははっ !!」
上岡「それ疑われたら困るがな、と。
それが、難しい知らんようなことわざを
僕が引っ張り出してきたら、そら引っ掛かってエエけど。
その "井の中の蛙" とか
"可愛い子には旅をさせろ" ぐらい知っとるがな」
鶴瓶「そうですわなあ」
上岡「それまで引っ掛かってくる!
――で、あるとき思い余って聞いたんや。
"あのー、別にキミ自身がね、悪いとか言うにゃないんやけど
なんで僕の言うことに全部引っ掛かんの? "
聞いたら――
"ディレクターから、なんでも引っ掛かれ言われて" 」
鶴瓶「うはははははっ !!」
上岡「引っ掛かり方が違うと!」
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