No.109 は、前説をこなした直後で立ち上がりのいい上岡の、トークショーに行ってきた報告から。二人で「出待ちが少ない」ことを嘆いた後、SHOW-YA が来たことに伴って三十秒ノリ復活。差し入れの烏龍茶を飲みつつ…「CM が来ないなあ」というトークが始まった。ほか、「衛星放送の相撲がアツイ!」という話題から、歴代の業師たちについて。後半はまさに傑作・「鶴瓶の語る一杯のかけそば」。鶴瓶ちゃんの話術で龍太郎師匠を泣かせるという、無謀きわまる挑戦が行なわれた。
(上岡龍太郎のファンが静かな理由)――「そらコワイねん。息のんでんねや。あんた手榴弾か何か持ってんのとちゃう? そばに寄ってきたらバーッて放るとか」
(資生堂の……烏龍茶 ?!)――「なんでも烏龍茶出すなあ !! 資生堂は化粧品にしとけっ !! ……これ塗れるかも分かれへんよ?」
(『いいとも』 の面白さとは何か)――「テレビの中では素晴らしい二枚目をやってる、その役者さんが、場違いな所へ放り出されて、オタオタするのを見てみんながイジメてる笑いでしょ、アレは。二枚目が素人になりきったところをみんなで笑ってるわけです」
(行司が腰に刀を差してる理由)――「立て行司が刀さしてるということは、もしも差し違えたときには腹かっきってお詫びいたします、と。それぐらいの覚悟であの刀を差してる」
(人気者と頭髪の関係性)――「矢沢永吉とかああいうニューミュージックの旗手とかいわれる人おるやん。なんでみんなハゲやのん? 松山千春も薄いし…。さだまさしも、谷村新司も薄いよ」
(『一杯のかけそば』 をご存じですか?)――「こないだテレビ観てたら玉置宏が "今から朗読します" って言うたんで。…プチッと消したんや」
上岡「やっぱり大和高田は違うね。
おばちゃんが "コレどうぞー" って
"どうも、これ何です? "
"うちの庭で穫れた小芋" ………。」
鶴瓶「いま喋ってるときに
これ言うたらオモロイ思って作ったやろ !!」
上岡「 (^^) ……」
鶴瓶「アンタの笑いは分かってんねん !!
段々喋ってるとどんどんウケてきて
初めは真実を言おうと思ってるのに
こっちのほうがオモロイなあと思ったら
その場で変えんねやろ ?!
それを素人話法という !!」
上岡「…本番前に僕が言うてたことそのままやっ !!
でもキミは見事なド素人 !! ホンマ素晴らしい !!」
鶴瓶「こないだあの人が来てましたがな。
知ってまっかー? SHOW-YA(ショーヤ)。
ショーヤが来てたんや!」
上岡「来てたがなー!」
鶴瓶「ショーヤ。知ってまっか?」
上岡「知ってるがなー。村人たち集めてな」
鶴瓶「 (^^) ……」
上岡「いいか皆の衆。おらが村は飢饉だ」
鶴瓶「 (^^) 久しぶりの三十秒ノリです」
上岡「だがこの飢饉にもかかわらず悪代官は
いつも通りコメを出せとこう言うとる」
鶴瓶「これが昔はやった三十秒ノリです」
上岡「まあ村の人たちは苦労があるが――」
鶴瓶「いまが 17 秒です」
上岡「ワシは、この村で先祖代々
この村を治めてきた――
そのショーヤとちゃうやないかいっ !!」
鶴瓶 (ぺこっと一礼) 「ありがとうございます…」
鶴瓶「 "こんな悲しいことあったんか" いうぐらい
アウっウっウっ……木村進みたいになるよ。
…… (´д`) アウウウウウ……」
上岡「……悲しい話する前に笑わしてどうすんねん」
鶴瓶「 (^^) ……」
上岡「場所は北海道。凍てつく冬……。
鉛のような空――」
鶴瓶「! …アンタが話してどうすんねん!
俺が泣いてしまうわっ !!」
鶴瓶「ほんで、二人が店じまいしようと思ったら
戸をカラカラカラ……」
上岡「 "二人が" って何やねん。
それ夫婦がやってるうどん屋さん?」
鶴瓶「 (^^) ……。イチイチよろしいやろっ ?!」
上岡「分からへんもんっ !!」
鶴瓶「男同士ふたりでやってるのか――」
上岡「分かれへんやん、そんなもん!」
鶴瓶「新野新とオレのうどん屋なんてあんのかっ !?
どこのうどん屋や、そんなもんっ !!」
上岡「 【ぬかるみうどん】 か何かいうて
やってんのかもワカランやん……」
鶴瓶「そんなもん食えるかいっ !!
しつこおて、しつこおて… !! ドロドロしよるわっ !!」
鶴瓶「 "かけそばお願いします。
一杯だけでもよろしいでしょうか…" 」
上岡「そらまあ、よろしいわな」
鶴瓶「 "結構ですよ" と」
上岡「 "ええ結構ですよ! 三人で一杯でも !!
八人で一杯でもね、別に私どもとしては
断る理由は何にもございません!
三人で六杯食べていただく、
それはもう好きずきでございます !! "――」
鶴瓶「………。」
上岡「うどん屋ってそうやん、愛想言わな」
鶴瓶「 (^^) …人の話聞きなはれっ !!」
鶴瓶「その店の、うどん屋さんが。
一杯を三人で食べたら少ない。可哀相やから。
あのー、半玉をね」
上岡「三杯分つくってあげはったんや!」
鶴瓶「いや……」
上岡「 "もう結構でございます !!
ウチもどうせ今年はこれで最後 !!
こんな三人で一杯なんてそんな可哀相なこと
はいっ !! 三人で三杯たべなはれっ !! どうぞっ !! " 」
鶴瓶「 (^^) ……」
上岡「うどん玉なんて余るでアレなあ?」
鶴瓶「……聞く気あんのんかッ ?!」
鶴瓶「 "美味しいね…" って言うてるわけや。
ほんで帰らはった……」
上岡「また、一年が流れた。また、大晦日。
しまおうか思ってら、ガラガラガラ……。
"なんべん来んねんお前らっ !! " ――」
鶴瓶「 (^^) ……」
上岡「 (^^) そういう話やないの?
――どれがオチやわからんねんっ !!」
鶴瓶「泣けるかいそんなもんで !! アホオ !!」
鶴瓶「 "お前たちに話があるんだ。
お父さんが死んで" ――」
上岡「…うどん屋で喋りはるの?」
鶴瓶「うどん屋で喋りはんねん…」
上岡「家帰ってから言えよ……。
これ聞こえよがしに、うどん屋の主人に。
なんせ二年ネタふってあるもんな!」
鶴瓶「 (^^) ……」
上岡「大晦日、大晦日、印象深いところに
一杯のそばを三人で食べる。
これはもう印象深いよ、うどん屋に」
鶴瓶「すいません……。
三千万渡しますからこの人殺してください !!」
上岡「 (^^) アホオ !!
ホンマにそんな奴出てきたらどうすんねんっ !!」
鶴瓶「もう大体そういう時期や、アンタ !!」
鶴瓶「 "子供心に嬉しい" ねん !!
だから、僕も大きくなったら――」
上岡「うどん屋になりたいの?」
鶴瓶「人の優しさを説いとんやっ !!」
上岡「優しけりゃうどん三杯出してやれよ ?!」
鶴瓶「違うっ !! それは――」
上岡「一杯も食べんと、そこで
"私らカップヌードル買うてきまして
お湯だけもらえませんか" っていう人に
"よいおとしを! " って
これはナカナカ言えんよ ?!
でも、食べてくれたお客さんに
"よいおとしを、ありがとうございました" って
なにか――」
鶴瓶「 "よいおとしをっ !! ありがとうございましたっ !! " 」
上岡「当てつけやな、それ」
鶴瓶「 (`へ´) !!
(舞台はしまで龍太郎師匠を突き飛ばす…)
上岡「僕はたこあげ……ちゃう、たこ焼きは――」
鶴瓶「 (^^) …たこ揚げ食うてどないすんねん…」
上岡「誰が食う言うたんや。
"たこ揚げ" 言うただけやんか」
鶴瓶「 "たこ揚げ" の続きは何やのん?」
上岡「――たこ揚げ……
と、コマ廻しは正月にやりますが
たこ焼きは年中食えますねえ」
鶴瓶「 (^^) なんの関係あんねん!」
上岡「 (^^) 季節の話題…」
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